「勝利の家」は、バーレーンの豊かなスポーツ遺産とアスリートたちの情熱から着想を得て設計された。建築家のMaryam Alansariは、自然との調和を重視し、中庭や緑地を巧みに配置。流れるようなラインと開放的な空間が、スポーツの持つエネルギーや動きを象徴している。これにより、訪問者は館内を自由に探索しながら、スポーツのダイナミズムを体感できる。
このミュージアムの最大の特徴は、競技の展示だけでなく、引退した名馬たちのための厩舎を併設している点にある。中央の中庭やサイクリングトラックが、館内外の視点を多様にし、来館者の参加意欲を高めている。トライアスロン、サイクリング、パデルなど多様なスポーツを紹介しつつ、特に馬術競技に焦点を当て、バーレーンの誇り高き実績を称えている。
建築技術面では、コンクリートフレームとガラスを主素材に採用。これにより、自然光がふんだんに差し込み、開放感と持続可能性を両立させている。厩舎も同様にコンクリート構造で設計され、耐久性と機能性を兼ね備えている。現代的なアプローチが、伝統と革新のバランスを実現している。
敷地面積は15,000平方メートル、建築面積は3,000平方メートルに及ぶ。広大なランドスケープと建物が一体となり、コミュニティの交流や学びの場として機能している。スポーツ、文化、地域社会をつなぐ拠点として、次世代へのインスピレーションを提供している。
「勝利の家」は、2025年にA'デザインアワード(建築・建造物・構造部門)でIron賞を受賞。実用性と革新性を兼ね備えた設計が高く評価され、産業界のベストプラクティスと技術的な優秀性を体現する作品として認められた。バーレーンのスポーツ文化を未来へと継承するこの施設は、地域社会と世界にポジティブな影響を与え続けている。
スポーツと建築、そしてコミュニティの新たな可能性を示す「勝利の家」は、バーレーンの誇りと希望を象徴する存在として、今後も多くの人々に感動と学びを提供し続けるだろう。
プロジェクトデザイナー: Maryam Alansari
画像クレジット: Maryam Alansari
プロジェクトチームのメンバー: Maryam Alansari
プロジェクト名: House Of Victory
プロジェクトのクライアント: Maryam Alansari