AIと共感で支える認知症ケアアプリ「Alzcare」

家族と介護者をつなぐ革新的モバイルアプリの誕生

認知症患者とその家族が直面する日々の課題に寄り添い、テクノロジーの力でサポートするAlzcareは、介護の現場に新たな価値をもたらしています。

世界で5,500万人以上がアルツハイマー型認知症を患い、その影響は患者本人だけでなく、家族や介護者にも及びます。Yueling Lai氏とSicong Zhou氏による「Alzcare」は、こうした現実に着目し、介護者の負担軽減と家族の絆強化を目指して開発されたモバイルアプリです。AIによるガイダンス、リアルタイム通知、そしてコミュニティ機能を融合させることで、従来の介護支援アプリとは一線を画す存在となっています。

Alzcareの特徴は、ユーザー中心設計と最新技術の融合にあります。アプリ内の「ホーム+ケア」タブでは、服薬管理や症状の記録、傾向の可視化が可能で、医療的判断をサポートします。また、GPSを活用したリアルタイムアラート機能は、徘徊などの緊急時に迅速な対応を促し、複数の介護者による協力体制も強化します。

AIチャット機能「Ask AI」は、専門家による監修情報や個別のアドバイスを即時に提供し、介護者が直面するさまざまな疑問や危機に的確に応えます。さらに、コミュニティタブでは、同じ立場の介護者同士が経験や知識を共有できる場を設け、孤独感の解消や精神的サポートにも配慮しています。

デザイン面では、温かみのあるカラーパレットや高コントラストの大きな文字を採用し、幅広い年齢層のユーザーが直感的に利用できるよう工夫されています。音声入力にも対応し、手が離せない状況でもAIガイダンスを活用できる点が高く評価されています。開発にはFigmaやOrigami Studioなどの先端ツールが用いられ、iOS向けに設計されていますが、今後はAndroidへの展開も視野に入れられています。

Alzcareの開発は、2024年12月から2025年3月までカリフォルニアで行われ、実際の介護現場でのフィールド調査や家族へのインタビューを通じて、現場の声を反映した機能設計がなされています。最大の課題であった多様な介護ニーズへの対応や、プライバシー・アクセシビリティの確保も、綿密なリサーチとデザインで克服されました。

2025年にはA'デザインアワードのブロンズ賞を受賞し、技術力と創造性、そして生活の質向上への貢献が国際的にも認められています。Alzcareは、テクノロジーと共感を融合させた新時代の介護支援アプリとして、今後も多くの家族や介護者の心強いパートナーとなることが期待されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yueling (Linda) Lai
画像クレジット: Yueling (Linda) Lai, Sicong (Nick) Zhou
プロジェクトチームのメンバー: Yueling (Linda) Lai Sicong (Nick) Zhou
プロジェクト名: Alzcare
プロジェクトのクライアント: Alzcare


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