動物福祉を革新する犬用リハビリエクソスケルトン「Repawse」

先端技術とカスタムデザインで実現するペットの自立支援

ペットのリハビリテーション分野において、Leijing Zhou率いるデザインチームによる「Repawse」は、動物の尊厳と快適性を守るための新たなアプローチを提示しています。障がいを持つ犬の歩行を支援するこのエクソスケルトンは、最先端の技術とカスタマイズ性を融合し、動物福祉の未来を切り拓いています。

「Repawse」は、従来のペット用義足や補助具の限界を超えるべく開発されました。きっかけとなったのは、障がいを持つペット向けのカスタム義足に関する報道と、デザイナー自身の愛犬のリハビリ経験です。人間医療で培われたリハビリ技術を動物にも応用することで、より人道的かつ知的なケアを実現し、動物のQOL(生活の質)向上を目指しています。

このエクソスケルトンの最大の特徴は、表面筋電位(sEMG)センサーによるアクティブコントロールです。健康な前肢の筋肉信号をリアルタイムで検知し、後肢のアクチュエーターを同期して駆動。3Dプリンティングによる完全オーダーメイド設計と組み合わせることで、個々の犬に最適な動作補助とフィット感を提供します。これにより、従来の受動的な補助具とは一線を画す、自然で協調的な歩行支援が可能となりました。

製造には、精密なボディスキャンデータをもとにした3Dプリント技術を採用。アルミニウム合金フレーム、低反発フォームのライニング、滑り止めラバーソールなど、軽量かつ耐久性に優れた素材選定により、日常使いでも高い安全性と快適性を実現しています。技術面では、リチウムイオンバッテリーによる長時間駆動や、マイクロコントローラーによる精密な動作制御も特徴です。

開発過程では、動物の筋電信号から動作意図を正確に読み取るという前例の少ない課題に直面しました。動物行動学やバイオメカニクスの知見を活かし、実際の犬を用いたデータ収集と反復的なプロトタイピングを重ねることで、直感的かつ信頼性の高いアクティブアシストを実現。これまで不快で限定的だった障がい犬の補助具に、快適性と機能性を両立させた新たな選択肢を提示しています。

「Repawse」は、2025年のA' Design Award(ペットケア部門)でシルバー賞を受賞。その技術力と芸術性、そして動物福祉への貢献が高く評価されています。今後、ペットリハビリテーションの分野において、より多くの動物たちが自立した生活を取り戻すための希望となるでしょう。

動物と人間が共に豊かに暮らす社会の実現に向けて、先端技術とデザインの力が新たな可能性を切り拓いています。「Repawse」は、その象徴的な存在として、今後の動向にも注目が集まります。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Zhou Leijing
画像クレジット: Zhou Leijing
プロジェクトチームのメンバー: Menghan Li Leijing Zhou Xinmiao Shen Xiaofei Gong Xiaotong Guan Ding Ding Jinjie Li Qianyi Wang Keyin Chen Zixiang Wang Zihan Zhang
プロジェクト名: Repawse
プロジェクトのクライアント: Zhejiang University


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