コンテナ美学が融合する次世代型ロジスティクス空間

産業的要素とデザインが調和した革新的ワークスペース

上海魏設計有限公司による「中谷物流」は、コンテナ輸送の本質を建築とインテリアに昇華させ、産業的な美しさと機能性を両立した新しいワーキングスペースを提案している。

中国・日照の臨海物流パーク内に位置する「中谷物流」は、コンテナ輸送を核とした企業の象徴的な拠点として設計された。建物全体にわたり、幾何学的なラインやテクスチャー、波形鋼板など、コンテナを想起させる要素が随所に取り入れられている。これらのデザインは、視覚的なアイデンティティを強調するだけでなく、パークの産業的背景と深く結びつき、空間体験に独自性をもたらしている。

建築は地上9階、延床面積1万平方メートルに及び、ビジネスエリアや企業文化展示、オフィス、レストラン、スタッフ宿泊施設など多様な機能を内包している。最上階の第九フロアは、管制室や商談スペースとして設計され、東側にはコンテナヤード、南側には海を望む絶景が広がる。黒い鏡面大理石の床が水面のような反射効果を生み出し、商談エリアがまるで水上に浮かんでいるかのような幻想的な雰囲気を演出している。

空間全体に用いられた波形鋼板は、コンテナの伝統的な質感を再現し、企業ロゴやデジタルサイネージ、ロビー壁面、受付カウンターの背景など、細部にまで一貫したデザイン言語を展開。四角い空間構成と金属パネルの組み合わせにより、巨大なコンテナそのものを体感できる空間が実現されている。

企業文化展示エリアでは、天井に波形デザインを採用し、来訪者に「大型コンテナの内部にいる」感覚を与える。床面には貨物船をモチーフとした水紋パターンが広がり、企業が荒波を乗り越えながら成長し続ける姿を象徴的に表現。照明には反射光ストリップを用い、天井と床に沿って管制室へと導く光の道を創出し、テクノロジーと現代性を強調している。

このプロジェクトは、産業的なハードラインやコンテナの形状を抽象化した幾何学的フォルムを、ファサードやディテールに巧みに落とし込み、企業のコアビジネスと空間デザインの調和を実現。2025年にはA'デザインアワードのブロンズ賞を受賞し、創造性と技術力、そして生活の質向上への貢献が高く評価された。

「中谷物流」は、産業の本質を美しく再解釈し、ビジネス空間に新たな価値をもたらす。機能性とデザイン性が融合したこの空間は、現代のワークスタイルにおける理想的なモデルケースとして、今後のオフィスデザインに大きな示唆を与えている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Liang Wei
画像クレジット: Shanghai Wei Design Co.,Ltd
プロジェクトチームのメンバー: Wei Liang
プロジェクト名: Zhonggu Logistics
プロジェクトのクライアント: Shanghai Wei Design Co.,Ltd


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