神宮前プロジェクト:自然と調和する都市型レジデンス

伝統と現代性が融合した新しい住空間の提案

東京・原宿の杜に隣接する「神宮前プロジェクト」は、自然素材と日本の伝統美を現代的に再解釈し、都市生活に新たな安らぎをもたらすレジデンスとして注目を集めている。

神宮前プロジェクトは、増谷和重が手がけた集合住宅のリノベーションであり、東郷神社の緑豊かな環境と調和する空間づくりを追求している。内装には栗材や御影石、手吹きガラスなど、自然の質感を活かした素材を厳選。表面仕上げを最小限に抑えることで、素材本来の美しさが際立つ設計となっている。

この住まいの特徴は、伝統的な日本の格子戸やパターンから着想を得たデザイン要素が随所に見られる点だ。特にパーケットフローリングやドアのディテールには、格子の意匠が現代的にアレンジされている。L字型の間取りは2つの住戸を統合し、曲線を描く壁や天井が空間の流れと一体感を生み出している。

職人技が光るのは、住まいの要となる引き戸。墨丸格子(すみまるごうし)という技法を用い、1本の無垢材から格子の曲線を彫り出すことで、シンプルでありながら柔らかな印象を実現している。その他の木部も可能な限り無垢材からR形状を削り出し、空間全体に統一感をもたらしている。

設計プロセスでは、従来の住宅モジュールを見直し、生活動線やコーナーの寸法、日々の動きに合わせた空間設計を徹底。コロナ禍での資材調達の遅れを逆手に取り、「本当に快適な住まいとは何か」をクライアントと深く議論する時間が確保された。経済効率優先の風潮に一石を投じる、丁寧な住まいづくりが実現した。

このプロジェクトは、2025年A'デザインアワードのインテリア部門でブロンズ賞を受賞。伝統と現代性、自然と都市生活が調和した新しいレジデンスのあり方として、都市居住の未来に示唆を与えている。

神宮前プロジェクトは、自然素材の持つ温もりと日本の美意識を現代の都市生活に融合させた、唯一無二の住空間である。今後の都市型レジデンスの新たなモデルケースとして、さらなる注目が期待される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Kazushige Masuya
画像クレジット: Image #1: Photographer Daiki Morita, ZOOM, 2024 Image #2: Photographer Daiki Morita, ZOOM, 2024 Image #3: Photographer Daiki Morita, ZOOM, 2024 Image #4: Photographer Daiki Morita, ZOOM, 2024 Image #5: Photographer Daiki Morita, ZOOM, 2024
プロジェクトチームのメンバー: Shinichi Itami(life design kabaya co.,ltd) Senior Designer Yuki Monden(life design kabaya co.,ltd) Designer Taeko Shinchi(life design kabaya co.,ltd) Designer Yukihiko Asaka(life design kabaya co.,ltd) Construction Manager
プロジェクト名: Jingumae Project
プロジェクトのクライアント: Kazushige Masuya


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