「Ponto」:シンプルさとエレガンスを追求した家具デザイン

ロベルタ・バンケリによるモダンでユニバーサルなアームチェア

シンプルでありながらエレガンスを兼ね備え、どんな空間やデコレーションにも適応する家具を目指して生まれた「Ponto」。ブラジリアンモダニズムとスカンジナビアンのシンプルさを融合させた、ロベルタ・バンケリによるこのアームチェアは、そのユニークなデザインで注目を集めています。

「Ponto」は、一見シンプルながらも独特な特性を持つ家具です。一本の長いラインと曲線が座面、腕置き、背もたれを構成し、その接合部では木材の種類や色を組み合わせることで、全体にユニークな効果を与えています。座面と背もたれは張り地で覆われ、座面の解剖学的で有機的な形状はユーザーに快適さを提供します。木製の構造は金属製のチューブ状の芯で補強されています。

この製品の製造は、6軸の加工センターの技術と手作業のプロセスの組み合わせによって実現されています。全体の外部構造は固形木材で作られ、アーム部分の耐力を確保するために内部に金属製の補強材が取り付けられています。座面を支える構造はX字型の金属製チューブ構造で、アームは初めは手作業で作られ、その後プログラムによって加工されました。

「Ponto」は、ブラジルの家具、椅子、ロベルタ・バンケリ、ブラジリアンデザイン、モビリアリオブラジレイロといったキーワードで語られることが多いです。そのデザインは、2018年7月から2019年2月までの間にブラジルのサンパウロで展開されたプロジェクトの中で生まれました。

このデザインの背後には、大きな挑戦がありました。二つの大きなラインが全体を支え、アームがユーザーを支えるようなパートを作ることは、いくつかのプロトタイプと耐力試験を必要としました。最初のアームは、大人の体重を支えるときに壊れてしまったため、内部に金属製の芯を入れることで構造を補強しました。しかし、それだけでは十分ではなく、どれだけ深く入れるべきか、どの角度が必要かを研究する必要がありました。

創造的な挑戦としては、シンプルでありながらも存在感を放つこと、市場で知られている製品とは異なること、無理をしないこと、個性と機能性を持つこと、小さくて軽いことが求められました。そのために、軽くて丈夫な木材であるタウアリを使用しました。タウアリは色が薄く、染色が可能であるため、製品の外観に多様性を持たせることができます。

このデザインは、2020年のA' Furniture Design Awardでブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的なスキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることを評価されるものです。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Roberta Banqueri
画像クレジット: #1 Moresco, Ponto, 2019. #2 Moresco, Ponto, 2019. #3 Moresco, Ponto, 2019. #4 Paulino, Ponto, 2020. #5 Paulino, Ponto, 2020.
プロジェクトチームのメンバー: Designer Assistent: Rodrigo Costa da Silva Woodworkers: Alinor Zanotto Ricardo Zanotto Valdecir Zanotto Factory: Todo Ind. de Móveis
プロジェクト名: Ponto
プロジェクトのクライアント: Roberta Banqueri


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