古典と現代が融合した「茶の経典」

李駿衡による木と銅を用いた伝統的な書籍デザイン

茶文化と伝統的な中国の道教文化の密接な関係性に触発され、デザイナーの李駿衡は世界最古の茶に関する書籍「茶の経典」を再設計しました。この作品は、ビーチウッドと赤銅を用いて全体が作られ、パッケージされています。

「茶の経典」は、自然との調和を追求する道教の概念と、茶を飲む過程での自然への回帰と自己の探求とが一致する点に着目しています。この書籍はビーチウッドで作られ、赤銅で中央のタイトルが彫刻されています。紀元前の古代中国文化は主に竹、木、青銅によって伝えられ、茶文化もまたこれら三つの素材から進化しました。

この書籍は、Adobe Illustratorで古代の書籍を再編集し、レーザー彫刻機を用いて製品化するという手法で制作されました。レーザー彫刻機とペイントのバランスをコントロールすることが、このプロジェクトで最も難しい部分でした。

レーザー機のパワー、速度、彫刻素材の密度の組み合わせは、製品の使用率を向上させるための鍵であり、李駿衡は合計で30回以上のテストを行いました。その結果、この書籍は2020年にA' Print and Published Media Design Awardのブロンズ賞を受賞するなど、その創造性と技術力が高く評価されました。

書籍は中央から両側に向かって蓋を開け、全体を取り出すことができます。各ページは木で作られており、個別に取り出して観察することが可能です。このような特性は、読者に新たな体験を提供し、伝統と現代の融合を感じさせます。

このプロジェクトは2017年に開始され、2018年に北京で完成しました。古代と現代、伝統と革新が融合したこの「茶の経典」は、読者に茶文化の深遠さと、デザインの可能性を感じさせる作品となっています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Junheng Li
画像クレジット: Designer Junheng Li,The classic of tea,2018
プロジェクトチームのメンバー: Junheng Li
プロジェクト名: The Classic of Tea
プロジェクトのクライアント: Junheng Li


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