Obscuro GT:クラシックと未来が融合したビジョン

アレクサンダー・ポラタイが描く、自然吸気エンジン車の未来像

クラシックなGTクーペからインスピレーションを受け、未来の自動車文化の変革を予見したObscuro GT。自然吸気エンジン車の可能性を追求し、その魅力を再定義する。

Obscuro GTは、クラシックなGTクーペの魂と強烈な美学的特徴を継承しつつ、現代のGTクーペと未来のビジョンを融合させた一台である。デザイナーのアレクサンダー・ポラタイは、マセラティA6GCS/53やフェラーリ250 gt、ジャガーE-type、トヨタ2000 GT、アストンマーチンDB4GTザガートなどのクラシックカーからインスピレーションを受けたと語る。また、AMG GT-Rやフェラーリローマ、アストンマーチンスーパーレジェーラ、ベントレーGT、BMW M850iなど、未来のクラシックとなるであろう現代のGTクーペも参考にしている。

Obscuro GTのユニークな特性は、自然吸気エンジン車の未来像を描いている点にある。電気自動車の人気上昇と完全自動運転車への志向が自動車文化に大きな変化をもたらす中、Obscuro GTはその中で自然吸気エンジン車のアイデンティティを再創造する。しかし、これらの車は手頃な価格ではなく、未来のデザインに対してよりクラシックな要素を持つことになるだろう。デジタル時代にもかかわらず、高価なクロノメーターが依然として評価されている現代と同様の事態が起こるとポラタイは予見する。

Obscuro GTは、3Dプリント部品を60%使用して製造される予定である。主な素材としては、アルミニウム、鍛造カーボンファイバー、ファイバーグラス、チタン、マグネシウム、バッテリー用のバイオケミカル、レザー、アルカンタラ、ガラスが挙げられる。

Obscuro GTの寸法は、長さ4.3m、高さ1.2m、幅1.7mとなっている。操作はクラシックな方法で行われ、デザインにはエキゾチックなドアやヒンジは含まれていない。プロジェクトは2023年から2029年の生産年、2030年のプレミア、2033年から2040年の消費年を目指している。

Obscuro GTのデザインには、クラシックな要素と未来の要素が見事に融合している。クロームの要素は初期のモータースポーツに、その形状は当時のスポーツカーのシルエットに言及している。サイドライトは小さく作られており、未来の都市が広範囲にわたって明るく照らされることを想定している。そのため、ライトは純粋にシルエット形状に変化し、それぞれのネックラインが大きな光学を持つ過去の時代の車に言及している。

Obscuro GTは、2020年にA' Vehicle, Mobility and Transportation Design Awardのブロンズ賞を受賞している。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込み、強力な技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Polatai Oleksandr
画像クレジット: Polatai Oleksandr
プロジェクトチームのメンバー: Alexander Polatai - individual student designer
プロジェクト名: Obscuro
プロジェクトのクライアント: Polatai Oleksandr


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