都市の拡大と人口増加に対応した新世代の住宅

ヤン・マギーとヤン・ジミーによる「Hide and Climb」

都市が拡大し、人口が急増する中、住宅のあり方も進化を遂げています。インターネットサービスの発展や新型感染症の脅威を受け、従来の機能を持つ住宅が、住人の欲求に応じて変化する「ミニワールド」へと変貌を遂げています。

このプロジェクト「Hide and Climb」は、ヤン・マギーとヤン・ジミーによって設計され、伝統的な機能を持つ住宅に、ロッククライミングなどのアクティビティを取り入れることで、その柔軟性を最大限に引き出すことを目指しています。また、子供の成長に合わせて空間が変化するという考え方も取り入れています。現在は子供たちの遊び場として機能するツリーハウスも、数年後にはウォードローブに変わり、それぞれの部屋を持つことができるようになります。

この住宅の特徴は、そのユニークな構造と機能性にあります。伝統的なキッチンやダイニング、ベッドルームを保ちつつ、仕事や学習、読書、遊びなどの様々な活動を統合しています。そのため、どのように進化しても、家の本質、つまり暖かく快適な場所であることは変わりません。それが、設計者たちがツリーハウスをアイコンに選んだ理由でもあります。

この住宅は主に白樺の合板を使用して作られており、110平方メートルの広さがあります。設計から建設まで約9ヶ月を要し、2019年の夏に台北で完成しました。

このプロジェクトは、クライミングが子供たちの成長に多大な影響を与えることから着想を得ています。クライミングは全身の協調運動を必要とし、手足や視覚、身体の総合的な協力を促します。また、新しい場所へ登るたびに、子供たちは新たな感覚や視界を得ることができ、空間認識の育成に役立ちます。そのため、クライミングは身体能力を鍛え、身体の発達を促進するだけでなく、環境を探索することも可能にします。

このプロジェクトの最大の課題は、ニーズに合ったスポーツ施設をどのように設計し、空間と組み合わせるかでした。この目標を達成するために、材料や色のマッチング、クライミングウォールの有機的な形状の拡張、全体の空間パターンの統一などを行いました。

このプロジェクトは、2020年にA' Interior Space, Retail and Exhibition Design Awardのゴールデン賞を受賞しました。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映し、芸術、科学、デザイン、技術を推進し、世界に大きな影響を与える優れた創造物や明るいアイデアに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Happystudio
画像クレジット: Copyrights belong to Happystudio,2019
プロジェクトチームのメンバー: Jimmy Yung Maggie Yang Tina Liao
プロジェクト名: Hide and Climb
プロジェクトのクライアント: Happystudio


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