自然をキャンバスに描く、新たな建築の可能性

ウー・シンホンが描く、自然と共生するセールスセンター

ウー・シンホンが手掛けた「Nature Canvas」は、自然と共生する新たな建築の可能性を見せてくれる。オーストラリアのウルル(エアーズロック)からインスピレーションを得たこのプロジェクトは、人々が自然と調和し、それを楽しむシンプルな生活を提案している。

このプロジェクトは、セールスセンターの設計という機会を得たウー・シンホンが、建築の視点から形象とイメージをどのように対応させるかを考えた結果生まれた。彼の目指したのは、冷たいコンクリートの塊となった建物ではなく、人間的な意味合いと自然の緑を空間に取り入れることだった。

建物の外観はファイバーセメントボードで覆われ、巨大な石の形状を構築している。これにより、洞窟に住むイメージを醸し出している。また、陶磁器のペイントを使用することで、岩の荒い表面を模倣し、耐候性と防汚性を持たせている。純白の大規模なボリュームはキャンバスのようで、自然がその画家となる。

ウルルの地形と天候を参考に、季節や気候条件、さらには一日の中でも異なる時間帯によって異なる風景を見せるように設計されている。六角形の穴を彫り、金属フレームを埋め込むことで、日光が差し込み、雲が流れると、それ自体が風景となる。

このプロジェクトは、2019年3月に台中で開始され、同年7月に完成した。全体の面積は495.86平方メートルで、建物のファサードは菱形の格子で組み立てられている。これはデジタルダイカットのセグメンテーションアプローチによってモジュール化されている。太陽の光を受けて金属素材が輝き、交差する冠の輪郭を生み出す。

モジュールの処理には課題があり、偏差を制御するために何度もテストを繰り返し、各金属ハンガーに十分なスペースを確保する必要があった。これにより、生き生きとしたダイナミックな風景を創出することができた。

ウー・シンホンは、「自然を抱きしめ、楽しむ」というインスピレーションから出発し、緑を生活空間に取り入れることを考えた。すべての住居が緑の陰を楽しむことができるように設計されている。

このデザインは2021年にA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞のシルバーを受賞した。これは、優れた技術的特性と素晴らしい芸術的技巧を示し、卓越したレベルの優れたデザインを表彰するものである。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: HSIN HUNG WU
画像クレジット: Image #1: Photographer LDK Photography Studio, Nature Canvas, 2019. Image #2: Photographer LDK Photography Studio, Nature Canvas, 2019. Image #3: Photographer LDK Photography Studio, Nature Canvas, 2019. Image #4: Photographer LDK Photography Studio, Nature Canvas, 2019. Image #5: Photographer LDK Photography Studio, Nature Canvas, 2019. Main image is Image #1, Optional Image #1 is Image #2, Optional Image #2 is Image #3, Optional Image #3 is Image #4, Optional Image #4 is Image #5.
プロジェクトチームのメンバー: HSIN HUNG WU
プロジェクト名: Nature Canvas
プロジェクトのクライアント: HSIN HUNG WU


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