山のふもとに広がるエコフレンドリーな住空間

デザイナーShu-Fen Wuが描く、自然と調和したインテリアデザイン

我々人間は、生涯の前半を学び、働き、安定した生活を手に入れるために奮闘する。そして、その成果を享受する場として、自宅を最終的な安住の地と位置づける。本プロジェクトの依頼主もまた、そんな人々の一人であり、この自宅を自身の人生の後半戦のスタート地点として期待していた。

この住宅は山間部に位置しており、周囲は静寂に包まれ、美しい風景が広がり、新鮮な空気が吹き抜ける。そんな魅力的な環境が、依頼主が公共空間に対して高い要求を持つ理由となった。視界を広げるために、壁を極力排除し、背面のない棚を使用することで、空間はより落ち着きを持ち、リラックスした雰囲気を醸し出すことが可能となった。

建築材料については、リサイクルされた石の壁面、エコフレンドリーな石膏レンガ、リサイクル木材プラスチック複合材など、環境に配慮した素材がほとんどである。また、スライディングドアを使用することで、プライバシーを確保する部分と他の機能を分けることができた。

このプロジェクトは、2019年12月に台湾で開始され、2020年5月に新北市で完成した。周囲の自然環境を最大限に活かすデザインを考えるため、どのような建築材料が適しているか、自然と調和し、所有者がリラックスして快適に過ごせるインテリアデザインは何か、といった研究が行われた。

カジュアルすぎると住宅の立地の利点が失われてしまうため、カジュアルさとエレガントさのバランスを見つけることが課題となった。しかし、エコフレンドリーな素材の使用と壁の使用を減らすことで視界を広げるというデザインが、所有者の要求に完全にマッチし、夢の家が自然環境と調和し、新たなスタートを切る場所となった。

このデザインは、2021年にA'インテリアスペース、リテール＆エキシビジョンデザイン賞のアイアン部門で受賞した。この賞は、専門的かつ産業的な要件を満たし、業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合した、実用的で革新的な創造に授与される。