アレクセイ・ダニリンが創り出す、海洋生物からインスピレーションを得た多機能ソファ「Shell」

環境に配慮したリユース可能なデザインが魅力

海洋生物が貝殻を使って体の機能を変化させるように、家具もまたその機能を変化させることが可能だと考えたデザイナー、アレクセイ・ダニリン。彼の創り出したソファ「Shell」は、その発想を具現化したユニークな家具です。

「Shell」は、伝統的なソファデザインを一新し、フレキシブルな背もたれにより、ラウンジソファ、両面ソファ、オットマンへと変形可能な多機能ソファです。その変形能力は、子供から大人まで、ユーザーにポジティブな感情を引き出します。

また、その色彩は現代のインテリアにマッチ。白とグレーのバージョンは、アクセントとしてゴールドのクッションを配し、新レトロスタイルのインテリアに適しています。一方、ダークグレーのバージョンは、鮮やかな赤のクッションを配し、ミニマリズムスタイルのインテリアにマッチします。

「Shell」の製造には、金属フレーム、生地、ソフトフィラーが使用されています。そのサイズは、長さ1800mm、高さ1200mm、深さ800mmとなっています。

ユーザーは、数回の動作でソファの背もたれを動かし、必要に応じて形状を変化させることができます。これにより、ゲストを迎えるため、座るため、昼寝をするためと、その時々のニーズに応じてソファを使用することが可能です。

このプロジェクトは、2018年4月にモスクワで開始され、同年5月に完成しました。そのデザインは、公共スペースや住宅の小さな空間、標準的なリビングスペースなど、さまざまな場所での使用を想定しています。特に、部屋の機能を変える必要がある場合や、インテリアデザインを変える際に、再利用可能なデザインが求められます。

「Shell」は、その変形能力と再利用可能なデザインを通じて、視覚的な感情反応を引き出すことに成功しています。その結果、2021年のA' Furniture Design Awardでブロンズ賞を受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させる優れたデザインに授与されます。