ラボグロウンダイヤモンドと3Dプリントが奏でる、新たなるジュエリーの世界

ロマン・ゼレニンによる装飾フィギュア「エリシウム」

自然とそのバランスを象徴するハチドリが、ラボグロウンダイヤモンドと3Dプリント技術を駆使した新たなるジュエリーの世界を見せる。

ロマン・ゼレニンが手掛けた装飾フィギュア「エリシウム」は、ラボグロウンダイヤモンドと3Dプリント技術の可能性を示すプロジェクトである。ハチドリがネクターを飲む姿を象徴的に表現し、自然とそのバランスをテーマにしている。一方、スタンドは破壊のゾーンを持ち、黒い仕上げがドラマチックな印象を与える。花がどれだけ長くバランスを保ち、ハチドリにネクターを供給し続けられるかが問われている。

このフィギュアは、数学的計算と完全にコンピュータ化されたワークフローを用いてモデリングされた。31のユニークなパーツから成り立っている。プロジェクトを実現するために、3Dプリンターの解像度を5マイクロンまで上げるアップグレードが行われた。直接鋳造の特許技術により、正確な形状のジオメトリとプラスチック性を実現し、金属の厚さを0.35mmまで作り出すことが可能となった。このモデルは銀とラボグロウンの宝石で作られており、総重量は110グラムである。

この作品の中で特に難易度の高かったエンジニアリングの課題の一つは、作品の重心を決定することだった。ハチドリと花茎の間に一つだけ接続点を作ることで、リアルな鳥の飛行を再現することが目指された。銀製のフィギュアでは、崩れた茎の構造がこのバランスの脆さを強調している。

このプロジェクトの目標は、デザインに制限のないシェルを作り出し、プロジェクトに使用する貴重な材料の量を大幅に削減することだった。伝統的なジュエリー作りのプロセスを変え、新たなものを創造することができた。10マイクロンの精度でプリントされ、シェルの厚さが0.35mmのフィギュアは、特許技術の可能性を示している。これは中空で、焼き物を使用した3Dプリントで作られ、直接鋳造の助けを借りて製造された。このプロジェクトの完成には2年以上の時間がかかった。

このデザインは、2021年のA'ジュエリー、アイウェア、ウォッチデザイン賞でブロンズ賞を受賞した。これは、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、高度な技術力と創造力を発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることを評価された賞である。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Roman Zelenin
画像クレジット: Roman Zelenin
プロジェクトチームのメンバー: Roman Zelenin
プロジェクト名: Elysium
プロジェクトのクライアント: Roman Zelenin


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