「Attimo」は、イタリア語で「一瞬」を意味する。このティーセットは、一瞬を永遠に凍結させたかのような形状が特徴である。ハンドル部分は石を模した形状で、磁器の上に「落ちて」円を描き、その波紋がオブジェクト全体に広がる。この凍結した瞬間を毎日の生活の中で触れることができる。
このティーセットは、骨董磁器で作られている。伝統的な磁器ではなく骨董磁器を選んだ理由は、焼成プロセス中の形状の安定性をよりコントロールするため、また壁の厚さを減らし、重量を軽減するためである。
ハンドルは伝統的な磁器には珍しい複雑なバイオニック形状で、厚さが変化する。これにより、ティーセットの使用が非常に人間工学に基づいており、さまざまな人々に適している。同時に、ハンドルは中が空洞になっているため、優れた熱絶縁体となっている。
このプロジェクトは2019年に始まり、2020年にロシアのサンクトペテルブルクで完成した。デザインの研究の重要なステップとして、石に似た形状のハンドルを見つけること、同時に技術と使いやすさとのバランスを保つことが挙げられる。また、ハンドルの大きさと表面の波の振幅、その減衰の比率を探求した。
サービスアイテムの複雑な非対称形状は、磁器で実現するのは困難である。特に、大量の製品を作る際に安定した品質を達成するのは特に難しい。しかし、骨董磁器を材料として選択し、中空のハンドル技術を使用し、焼成中の変形を積極的に修正することで、理想的な幾何学的形状を達成することが可能となった。
「Attimo」ティーセットは、2021年のA' Bakeware, Tableware, Drinkware and Cookware Design Awardで金賞を受賞した。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した、驚くべき、優れた、トレンドを設定する創造物に授与される。
プロジェクトデザイナー: Mikhail Chistiakov
画像クレジット: Image #1: Photographer Kazakov Petr
Image #2: Photographer Kazakov Petr
Image #3: Photographer Chistiakova Yuliia
Image #4: Photographer Chistiakov Mikhail
Image #5: Photographer Chistiakova Yuliia
プロジェクトチームのメンバー: Mikhail Chistiakov
プロジェクト名: Attimo
プロジェクトのクライアント: Mikhail Chistiakov