伝統と革新が交差する、洗練された日本の美

石川由子岡原による、二重盃「鼓」

自然素材と伝統技術が生み出す、日本の美を体現する一品。その名も「鼓」。石川由子岡原がデザインしたこの二重盃は、日常生活を豊かに彩るアイテムとして、また、アートピースとしても楽しむことができます。

「鼓」は、その名の通り、鼓のような形状を持つ二重盃です。両端にカップがあり、それぞれが異なる色で蒔絵が施されています。通常、蒔絵は本体や内底に施されますが、「鼓」では、内側から覗くような位置に配置されています。これが日本美の本質を表現しています。ユーザーはその日の気分によって、どちらのカップを使用するかを選ぶことができます。

また、「鼓」は、全て自然素材で手作りされています。そのため、軽くて熱伝導率が低く、曲面は非常に滑らかです。これらの特性により、触れること、使用することが心地よく、また、オブジェとして楽しむこともできます。一方で、このようなアイテムを作るためには、高度な技術を持つ職人が必要となります。

その製作過程には、自然木、珪藻土パウダー、漆、金粉といった素材が使用されています。幅65mm、奥行65mm、高さ100mmというサイズで、高品質の桐箱に、自然のウコンで染めた綿布と共にパッケージされています。

「鼓」は、酒や美味しいものを供するための器として、また、その気高さと優雅さからアートピースとして、単に飾るだけでも満足感を得ることができます。また、面と面の間に角がないため、手入れも容易です。

このデザインは、漆が経年変化するほど透明感が増し、また、漆を再塗することや、金粉と漆で修復することにより、新たな味わいを加えることができます。そのため、一生涯楽しむことが可能です。また、全て自然素材で作られているため、自然との親和性が高く、エコフレンドリーなアイテムとなっています。

このプロジェクトは、2019年10月に富山で始まり、2021年4月に石川で完成し、2021年12月には東京の国立新美術館で展示されました。そして、2023年にはA'デザインアワードの銀賞を受賞しました。これは、優れた専門性と革新性を示す、クリエイティブでプロフェッショナルなデザインに授与される賞です。

「鼓」は、伝統と革新が交差する、洗練された日本の美を体現しています。その美しさと価値を、ぜひ手に取って感じてみてください。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yukino Shunme
画像クレジット: Yukino Shunme
プロジェクトチームのメンバー: Yukino Shunme
プロジェクト名: Tsuzumi
プロジェクトのクライアント: Yukino Shunme


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