オリチェアは、紙を立体的な形状に変換するオリガミの技法を基にデザインされました。紙折りから金属折りへとその概念を転用し、独自の家具として具現化したのです。この椅子は、厳しい屋外環境にも耐えうる頑丈な金属を使用しつつ、視覚的には軽やかさを保つよう設計されています。金属はクレードル・トゥ・クレードル(製品のライフサイクル全体を考慮した持続可能な開発)の素材として使用され、座面や背もたれなど、座り心地を左右する部分には木材が用いられています。
金属を折り曲げることには、人間工学に基づいた快適な座り心地を実現するという課題が伴います。オリチェアのデザインは、パッケージングと配送を容易にするために、オリガミの技法を採用しました。この椅子は簡単に折りたたむことができ、小さな箱に収納することでパッケージの体積を大幅に削減することが可能です。また、ボルトやマグネットといったシンプルなツールを使って組み立てることができ、クリスプでクリーンな仕上がりを実現しています。
オリチェアの形状とフォームは、自然界に存在する特異な構造、つまりフリル状のヤシの葉からインスピレーションを得ています。直径5フィートにも及ぶ広大な円形の葉は、細い枝から生じるという、この椅子の形状を生み出すための理想的なモデルとなりました。オリガミの技法は、フリル状のヤシの葉の形状を人間工学に基づいた家具に変換するための最適な手法となりました。また、椅子の色彩は向日葵から取り入れており、アート作品としての存在感を放つ一方で、ミニマルなデザインが空間に調和をもたらします。
金属とオリガミの技法を組み合わせるという試みは、私たちの7年間にわたる金属加工の経験を試すものでした。スリットの寸法を適切に設定し、2つのスリット間のブリッジを接続して金属のせん断を防ぐという課題に直面しました。また、手で曲げることができるようにするためのブレークスルーが求められ、最適な折り目の数を見つけるために試行錯誤を重ねました。これにより、完璧な人間工学を実現することができました。
オリチェアは、フリル状のヤシの葉と日本の扇子を融合させたようなエルゴノミクスデザインで、オリガミの技法を通じて具現化されています。向日葵の鮮やかな色彩を用いて、目を引くアート作品としての存在感を放つ一方で、ミニマルなデザインが空間に調和をもたらします。このデザインは、紙折りの概念を金属折りに転用するというアイデアを採用しています。
このデザインは、2021年にA' Furniture Design Awardでブロンズ賞を受賞しました。ブロンズA' Design Awardは、経験と創造性を証明する優れたデザインに授与されます。芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、高度な技術と創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることを評価されています。
プロジェクトデザイナー: Manish Maheshwari
画像クレジット: Image #1: Photographer: Dhiram Patel
Image #2,#3,#4,#5: Photographer: Manish Maheshwari , Editing: Roshni shah
Illustrator: Roshni Shah
Video Credits: Dhiram Patel
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Manish Maheshwari
Project director: Piyush Maheshwari
プロジェクト名: Ori
プロジェクトのクライアント: Manish Maheshwari