「格子椅子」:東西文化の融合と革新的な技術

陳冠誠による伝統と革新の融合

陳冠誠デザイナーによる「格子椅子」は、東西の文化と技術の融合を象徴する作品です。竹と木の特性を活かし、美しさと機能性を兼ね備えたこの椅子は、そのユニークなデザインと製造技術で注目を集めています。

「格子」とは、横と縦の線が交差し絡み合うことを意味します。陳冠誠は、竹細工と木工技術を組み合わせ、竹の柔軟性と木の堅牢さを保持しつつ統合することで、この概念を具現化しました。その結果、椅子の重量はわずか4kgでありながら、120kg以上の重量を支えることができます。

この椅子の特徴的なデザインの一つに、片側だけに設けられた肘掛けがあります。これにより、ユーザーはさまざまな方法で座ることが可能となり、自由度と柔軟性が増しています。また、軽量であるため、高齢者や子供たちも簡単に移動させることができます。

製造には、台湾特有のモソチク竹と曲げ技術が用いられています。小角度の曲げが難しい中、これらの技術を駆使して完成させました。選択可能な木材には、アッシュ、エンジニアードバンブー、エンジニアードウッド(ホオノキ、ブナ)があり、仕上げには天然の木蝋油が使用されています。

このプロジェクトは2019年4月に台湾で開始され、同年12月に完成しました。木材の曲げは、異なる方法で切り出すことも可能で、ダブルアームチェアや他の家具シリーズにも展開できるという挑戦的な課題を乗り越えました。

「格子椅子」は、その革新的なデザインと技術で、2021年のA' Furniture Design Awardでプラチナ賞を受賞しました。この賞は、世界クラスの優れたデザインと革新性を認めるもので、プロフェッショナリズムを示し、社会の福祉に貢献しています。また、芸術、科学、デザイン、技術の境界を拡大し、卓越した優れた作品を表彰しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Chen Kuan-Cheng
画像クレジット: Chen Kuan-Cheng
プロジェクトチームのメンバー: Chen Kuan-cheng
プロジェクト名: Lattice Chair
プロジェクトのクライアント: Chen Kuan-Cheng


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