北沢勉の新作「The Oracle」:神々の使者として描かれたモビーディック

伝説のクジラとモノリスの融合、新時代の幕開けを告げる

北沢勉氏による新作イラスト「The Oracle」は、人間の知恵を超越した存在を創造するという初期のアイデアから生まれました。映画「2001年宇宙の旅」のモノリスと小説「白鯨」のクジラ、これら二つの全く異なる設定とジャンルを組み合わせ、力強く神秘的な存在としてのクジラに魅了された北沢氏は、モビーディックにモノリスを投影し、全能の存在としての神々の使者を創り出しました。

「The Oracle」は、ハイファンタジーのビデオゲームの一場面を描いたものです。この世界の一つの土地では、数世紀に一度の伝説、「モビーディックの日」が起こります。神々の使者がこの土地を訪れ、新たな未来を示します。現在の文明の崩壊をもたらすものの、その破壊から新たな時代が生まれます。彼らの体を通じて未来が具現化し、進化の大躍進を生み出します。それは全世界を包み込む贈り物です。

このゲームの中では、各地には独自の風習があり、住民の伝統、民間伝承、歴史と深く結びついています。このゲーム内で豊かな大規模な世界を開発する可能性があります。このプロジェクトは進行中であり、これらの複雑な世界の視覚的表現については継続的に実験が行われています。

この作品はADOBE PHOTOSHOP 2020を使用して作成されました。手描きに基づいてPHOTO BASHINGが使用されています。技術的な仕様としては、6200ピクセル x 3150ピクセル、150dpiで描かれています。

北沢氏の作品は、ビデオゲームのキービジュアルとして、将来実現するかもしれないビジョンを共有することで、ビデオゲームユーザーが何を求め、何に共感するのかを深く理解し、具体的な実現へのアプローチを考えるきっかけとなります。

この作品は、2020年5月の一ヶ月間で日本の東京にあるスタジオで制作されました。イラストと視覚デザインをエンターテイメントとして具現化することを目指しています。クライアントの要望がある場合が多いですが、「視覚的に具現化」することが重要です。北沢氏は自身の役割を「視覚的な翻訳者」と考えています。考慮、研究、イメージ力を用いて、誰も見たことのない複雑な世界を、誰もが理解できる「絵」に視覚化します。

イラストにおいても、建築様式や古い習慣の研究は重要です。そのプロセスを経ることで、イラストの世界観に現実感を与え、没入感を生み出すことが可能になります。人々が「イラストの非現実的な世界」を受け入れるためには、「現実」が入口となる必要があります。

北沢氏のスタジオ、Gehn Graphicsは、2016年に東京の杉並区で設立されたコンセプトデザインスタジオです。主に3DCGムービーやコンソールゲームを手がけており、印刷メディア製品、エディトリアルデザインとレイアウト、パッケージデザイン、CDやDVDのカバーデザインなど、様々なタイプのグラフィックデザインにも強い焦点を当てています。

「The Oracle」は、2021年にA' Graphics, Illustration and Visual Communication Design Awardでブロンズを受賞しました。この賞は、経験と創造性を証明した優れたデザインに授与されます。芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることを評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tsutomu Kitazawa
画像クレジット: Tsutomu Kitazawa
プロジェクトチームのメンバー: TSUTOMU KITAZAWA
プロジェクト名: The Oracle
プロジェクトのクライアント: Tsutomu Kitazawa


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