自然と共鳴する照明デザイン：コブラ

カタリナ・サントスによるアートと照明の融合

光と視覚、人間と自然の間には深い関係性が存在する。光がなければ形も影も見えないし、太陽がなければ生命は存在しない。この自明の真理にインスピレーションを得た「コブラ」は、人工照明と自然、そして人間の行動と野生動物との関係性を探求するデザインである。

この製品は、照明という主要な機能に加えて、人間性、精神性、環境問題、そして責任ある消費についての問いを提起する。インドアガーデンと一緒に設置することで特定のメッセージを伝え、単なる照明製品からアートインスタレーションへと昇華させる。

アルミニウムシートを曲げて形成され、その他の部品も主に旋盤加工やフライス加工のアルミニウムで作られている。照明器具にはフィリップスの最新世代LED「HV5 LED Fortimo」が使用され、ドライバーもフィリップス製の「Xitanium」が採用されている。また、全てのアルミニウム部品は粉体塗装されている。

このプロジェクトは、ポルトガルの照明技術製品メーカー「Tromilux」のオフィスビルの中央エリアに設置するために考案され、2020年9月から12月にかけて開発され、2021年1月に設置された。自然光に最も近い人工照明を追求する中で、光の過度で不適切な使用が人間や動植物の健康に及ぼす影響についての科学的な疑問が提起された。

最初の創造的な課題は、ブランドの既存の製品から新たな命と目的を与えることだった。日常生活でよく見かける製品に対する創造性はあまり期待されていないが、それを単なる必需品を超えた価値を持つものに変えることで、その原因と結果についての問いを提起する。

この製品は、人間、精神、生態系、消費者の責任についての問題を提起することで、無意識の領域を開放する。コブラは、自然と人間のつながりを表現するメッセージを伝えるために、会社のショールームのインテリアガーデンと一緒に設置される。

このデザインは、2021年のA'ライティング製品とフィクスチャデザイン賞で鉄賞を受賞した。鉄賞は、プロフェッショナルで産業要件を満たす優れたデザイン、実用的で革新的な創造物に授与される。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価される。