歴史的建築とアートの融合:「コア」

新たな命を吹き込むキネティックライトスカルプチャー

歴史的建築物とアートの融合を探求するプロジェクト「コア」。その独自の動きと光が生み出すハーモニーは、視覚的な体験を超え、空間そのものが生命を持つかのような感覚を視覚者に提供する。

デザイナーのHsin Leeが手がけた「コア」は、84年の歴史を持つ日本式の警察署、川端インクラフトのために制作されたキネティックライトスカルプチャーである。表面の銅の葉は内部の機械構造によりゆっくりと開閉し、建物を生きた体に変える。その動きはまるで呼吸をしているかのようで、建築物が生命を持つシンボルとなっている。

このプロジェクトの目的は、芸術的な彫刻と歴史的な建物との関係を探ることだった。建物が取り壊されるはずだったが実際には保存されたと知ったとき、芸術的な方法でそれを再生させることを願った。その結果、永遠を象徴する松ぼっくりの形をした「コア」というコンセプトが生まれた。

「コア」は87個のユニークな真鍮の部品で作られており、精密な機械工学に大いに依存している。各部品は自作のCNCマシンとの協力のもと、詳細に作り上げられている。材料、製造、照明についての改良と改善を重ねた結果、すべての部品が完成した。

このプロジェクトは螺旋階段の直上の高い天井に設置されている。基底から上がってくると、視覚者は作品を見上げ、目線の角度を変えることで豊かな視点とインタラクションを生み出す。作品が定期的に開閉することで投影される光が空間全体を深呼吸しているかのように感じさせる。

松ぼっくりの開閉状態を再現するために、往復ねじを使って12の中心構造を引き金にし、87の真鍮の葉を接続して動的な動きと収縮を表現した。これはクリエイティブな挑戦であり、技術的な課題を克服した結果である。

2021年にA'ファインアーツとアートインスタレーションデザイン賞のブロンズを受賞した「コア」は、アート、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込み、強力な技術的、創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることで高く評価されている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: HSIN LEE
画像クレジット: Image credits: Matter image
プロジェクトチームのメンバー: Art Director: Hsin Lee Designer: Tseng, shih-gang Mechanism Design: Wang, Hsiang-Ping
プロジェクト名: Core
プロジェクトのクライアント: HSIN LEE


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