このプロジェクトでは、敷地の特性を活かすために、建物の軸を北と南、つまり川へと向けることにしました。建物は主に3つの部分、エントランス、ゲストハウス、メインハウスに分けられています。周囲への影響を考慮し、全ての建物は一階建てとなっています。
このヴィラの設計にあたり、川澤氏は現地の研究やクライアントのニーズ、ヴィラやリゾートホテルについての調査を行いました。その結果、伝統と現代の融合というコンセプトが生まれ、外観、内装、空間、素材などが検討されました。
敷地面積は1356.76平方メートル、建物面積は427.07平方メートル、最大高さは3.77メートルとなっています。シンプルでミニマルなデザインが特徴のこのヴィラは、その場所だけに存在する唯一無二の建築物となっています。
この建築物では、その場所ならではの空間体験とリラクゼーションを楽しむことができます。素材や空間はその場所から派生したもので、訪れる人々に心地よい時間を提供します。
設計と建設期間は2019年9月から2021年1月までの約1年半。多くのデザイナーが川澤氏の監督のもと、構造設計、設備設計、照明設計、タイル設計、ファブリック設計、家具設計、設備設計などを行いました。
コンセプトの構築は最初のステージでの挑戦でした。クライアントからの要望が少ない中で、素晴らしい建築を設計することが問題となりました。また、素材の選定にあたっては、その場所の近くで見つけたものを使用するというコンセプトから、多くの工房を訪れて選択を行いました。
このヴィラは、2022年のA'アーキテクチャ、ビルディング&ストラクチャーデザインアワードでシルバーを受賞しました。この賞は、優れた技術的特性と素晴らしい芸術的技能を持つ、創造性と専門性に優れたデザインに贈られます。
プロジェクトデザイナー: Junichiro Kawazoe
画像クレジット: Photographer/Yoshiharu Matsumura
プロジェクトチームのメンバー: Kazue Kawazoe
Takuya Uemura
プロジェクト名: River Sea
プロジェクトのクライアント: Kawazoe Junichiro