伝統と革新が交差する、松永窯の新たな挑戦

陶芸と建築が調和したショップ兼アトリエ

300年以上の歴史を持つ伝統工芸品を生み出す松永窯が、新たな建築プロジェクトに挑戦。陶芸の特性を建築に取り入れ、独自の空間を創出した。

松永窯は福島県に位置し、300年以上の歴史を持つ指定伝統工芸品である大堀相馬焼を生産している。大堀相馬焼の特徴の一つである二重構造は、沸騰した水を保持し、冷めにくい日常使いの陶器を可能にしている。この特性を建築に取り入れ、表現することをデザイナーたちは試みた。

本プロジェクトでは、家の頂部にトップライトを設置。内部空間に豊かな光をもたらし、店内では精密で鮮やかな色彩を表現。また、繊細な作業が求められる工房では、高照度の天井の障子から優しく均一な光が注がれる。レジカウンター上のトップライトは、カウンターの奥行き感を変える役割も果たしている。

デザイナーのNaoya Tochio氏とTeruo Akiyama氏は、建築と陶芸の異なるスケールが、同じ構成の中で互いに影響を与えると考えている。その結果、松永窯の新たなショップ兼アトリエは、伝統と革新が交差する独特な空間となった。

このプロジェクトは、2022年のA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞でゴールデンを受賞。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した驚くべき、優れた、トレンドを設定する作品に授与される。彼らは芸術、科学、デザイン、技術を推進し、非凡な卓越性を体現し、望ましい特性で世界に大きな影響を与える尊敬される製品と明るいアイデアである。

松永窯の新たな挑戦は、伝統工芸と現代建築の融合を通じて、新たな可能性を示している。これからもその活動から目が離せない。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Naoya TOCHIO
画像クレジット: all photo :Kenji Masunaga
プロジェクトチームのメンバー: Teruo Akiyama
プロジェクト名: Obori Soma Ware Matsunaga Kiln
プロジェクトのクライアント: Naoya TOCHIO


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