波立つ静寂 - ラグジュアリーとスポーツが交錯する新感覚の空間

松本哲也が描く、映画館と城を望むユニークなカフェバー

ラグジュアリーホテルのロビーからインスピレーションを得たカフェと、映画館の映像効果を再現したスポーツバーが一つの空間に融合。その名も「Wavy Stillness」。松本哲也の手により生まれたこの斬新な空間は、日本のホスピタリティ業界に新たな風を吹き込む。

「Wavy Stillness」は、商業ビルの4階に位置するラグジュアリーカフェとスポーツバーの融合空間。映画館に面した2つの外壁は全面ガラス張りで、3面目は歴史的な姫路城を望むバルコニーに開放されている。カウンターの壁と一部の天井は、視角によって反射を変える三次元の波打つステンレスプレートで覆われている。

この空間はオープンプランを採用しており、ほとんど壁がない。柱とその周囲の半壁はすべて大理石で覆われ、ソファはすべてカスタムメイド。既製品の椅子の張り地もそれに合わせて選ばれている。キッチン壁に設置されたカウンターバックは家具として作られ、水の動きを模したユニークな三次元ステンレスパネルで覆われている。カウンター自体は人工石で作られ、半壁はガラスモザイクタイルで覆われている。

このプロジェクトの研究は、一つの空間で二つの異なるタイプのホスピタリティ空間をどのように組み合わせるか、そしてその空間をそのコンテキストと周囲にどのように定着させるかを探るために行われた。ラグジュアリーカフェとスポーツバーを一つの空間で両立させるにはどうすればよいのか。素材選びもプロジェクトの研究の大きな部分を占めており、全体の雰囲気に大きな影響を与えている。

既存の施設の4階にデザインを施すということは、特にスプリンクラーの配置に関しては、既存のレイアウトを改造するのが高価になるため、同じ空間構成を活用して、それでも複雑な組み合わせであるラグジュアリーカフェとスポーツバーを実現しなければならなかった。また、現代のスポーツバーに必要なモニターの配置も難しい課題であり、カフェのイメージに重大な影響を与える。

「Wavy Stillness」は、昼はカフェ、夜はスポーツバーという、異なる雰囲気を兼ね備えたホスピタリティ施設。この組み合わせに、高級サービスのニュアンスを加えることで、新種のハイブリッド空間が生まれた。カウンターの背後の壁は、視角によって変わるダイナミックな反射を生み出す波打つ三次元ステンレス鋼のシートで覆われている。さらに、スポーツのパブリックビューイングイベントを開催することを考慮に入れ、4つの異なる組み合わせで21のスクリーンが配置されている。

このデザインは、2022年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビジョンデザインアワードでブロンズを受賞。アート、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、高い技術力と創造力を発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすると評価された。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tetsuya Matsumoto
画像クレジット: Image #1: photographer ©Stirling Elmendorf, WavyStillness, 2021. Image #2: photographer ©Stirling Elmendorf, WavyStillness, 2021. Image #3: photographer ©Stirling Elmendorf, WavyStillness, 2021. Image #4: photographer ©Stirling Elmendorf, WavyStillness, 2021. Image #5: photographer ©Stirling Elmendorf, WavyStillness, 2021.
プロジェクトチームのメンバー: Tetsuya Matsumoto Motoaki Takeuchi Farid Ziani
プロジェクト名: Wavy Stillness
プロジェクトのクライアント: C-UPS cafe and sports bar


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