アレクサンドル・ジンガリウクによるアーキテクチャの新境地「アーキゼイト」

既存の建物を活用し、新たなデザインの可能性を追求

アレクサンドル・ジンガリウクが手掛けた「アーキゼイト」は、既存の一階建ての家を改装し、新たなオフィススペースとして生まれ変わらせたプロジェクトである。自然素材や手作業による加工、リサイクル素材の使用など、独自の視点でデザインされたこのスペースは、アーキテクチャの新たな可能性を提示している。

アーキゼイトは、モルドバのキシナウに位置する一階建ての家を改装したもので、その名の通り、アーキゼイトスタジオのオフィスとして使用されている。既存の建物の内外装を一新し、さらに新たな拡張部分を追加することで、全く新しい空間が生まれた。

このプロジェクトの特徴的な要素の一つは、自然素材や手作業による加工、リサイクル素材の使用である。例えば、拡張部分として金属製のコンテナが使用され、既存の建物の外観はコルテン鋼の板で覆われた。また、木材、コルテン鋼、露出したコンクリート、金属などが組み合わさることで、ダイナミックでコントラストのある構成が生まれている。

スタジオは大きな窓が設けられ、通りすがりの人々に内部を見せることで、開放的で招きやすい雰囲気を作り出している。また、建物内部の流れは一つの入口から分散され、ゲストエリア、作業スペース、バスルームなどが建物の異なる部分に配置されているため、流れの交差を最小限に抑えている。

このプロジェクトは、既存の建物の状況を分析し、何を保存し、何を解体し、再建築や追加するかを決定するところから始まった。その結果、内部空間を再構成するために一部の内部壁を解体し、新たな仕切り壁を建設し、拡張部分を追加することが決定された。

また、既存の建物は一部の部屋が独立した入口を持ち、互いに通じていない空間や、機能的・美観的に断片化された内部空間が存在していた。さらに、自然光が全く入らない部屋も存在し、天井の低さが光の不足を一層強調し、厳格な空間を作り出していた。これらの問題を解決し、空間を再構成することが最大の課題となった。

アーキゼイトスタジオは、ビジネスミーティングを開催し、アーキゼイトデザインチームにとって有益な環境を提供するオフィススペースとして、既存の一階建ての家を改装したプロジェクトである。この改装は、内外装に及び、同社の作業サンプルとして見ることができる。潜在的な顧客は、オフィスの作業に親しむことができ、直接体験することが可能である。

このデザインは、2022年のA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザインアワードでアイアン賞を受賞した。この賞は、プロフェッショナルで産業的な要求を満たすように設計され、実用的で革新的な創造物に授与される。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Alexandru Zingaliuc
画像クレジット: #Image 1:Photographer Valeria Evstigneev, 2018. #Image 1:Photographer Valeria Evstigneev, 2018. #Image 2:Photographer Valeria Evstigneev, 2018. #Image 3:Photographer Valeria Evstigneev, 2018. #Image 4:Photographer Valeria Evstigneev, 2018.
プロジェクトチームのメンバー: Lead Architect: Alexandru Zingaliuc Assistant Architect: Mariana Popescu
プロジェクト名: Archizeit
プロジェクトのクライアント: Archizeit Studio


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