都市の庭:自然とのつながりを追求した住宅デザイン

ノール・サッカルによるバイオフィリックデザインの採用

都市の中心に位置する独特の立地を活かし、自然とのつながりを追求した「Urban Garden」。この住宅は、日本庭園の美しさと、緑、水、空気、光といった自然の要素を取り入れたバイオフィリックデザインにインスピレーションを得ています。

ノール・サッカルと彼のデザインチームは、クライアントの日本庭園への愛と自然への憧れからインスピレーションを得て、自然と一体化した家を設計しました。この家は、ただ自然に囲まれているだけでなく、自然環境の要素を内部に取り入れています。また、プライバシーを保ちつつ、外部からの視線を引きつけるデザインも特徴的です。

このプロジェクトの特異な点は、その立地条件が設計に直接影響を与えたことです。この家は、幅が狭く長さが2倍の長方形の敷地の上に建てられており、前後だけが道路に面しています。この都市型の立体的な家は、そのファサードをスクリーンとして使用し、密集した近隣地域からプライバシーを保つよう設計されています。

設計に使用された主な素材は、主要なボリュームにはグレーの石で覆われたコンクリート、そして前後の入口には特別な黒い大理石が使用されています。これらの素材は、家に豪華で厳格な雰囲気を与えています。

バイオフィリックデザインの研究に基づき、自然の要素を取り入れることで人々の健康を向上させることが可能であるという考え方が取り入れられています。自然、緑の壁、豊富な光の条件を提供することで、認知機能、身体的および心理的な健康を支えることができるとされています。

このプロジェクトの挑戦は、クウェートの住宅要件の文化的ニュアンスを尊重しつつ、スペースのレイアウト設計でした。男性の集まりのための別々の入口、男性と女性のスタッフのための別々の階段、男性の集まりのための「ディワニヤ」などの特性を調和させ、エンドユーザーにとって魅力的な空間体験を創造する必要がありました。

この家は、庭を持つ家ではなく、本質的に庭そのものである家を目指して設計されました。そのため、各部屋は庭の中のパビリオンのように機能し、光を取り入れ、階層間の空間関係を作り出すことに重点が置かれています。

このデザインは、2023年のA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞でブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: nour zeino saccal
画像クレジット: Image #1: Renderer Tony Antoun, 2021 video credits: saccal design house Music: Dreamin' by slow sense Music: porcelain by Moby
プロジェクトチームのメンバー: Nour Saccal Hima Francis Maysa Saccal
プロジェクト名: Urban Garden
プロジェクトのクライアント: nour zeino saccal


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