子供の悪夢から生まれた驚異の空間「Tr88 House」

シャフルーズ・ゾモロディが手掛ける、新たなレクリエーションセンター

子供の頃の悪夢からインスピレーションを得て創り出された「Tr88 House」。その規模は一般的な生活空間を遥かに超え、人間が巨大な松の森に迷い込んだかのような感覚、あるいは微小な生物が草原を駆け巡るような体験を提供します。この斬新なレクリエーションセンターは、食事処、子供の遊び場、トランポリン、レーザータグ、ミニゴルフ、子供クラブ、屋上ラウンジを備え、訪れる人々に感覚を刺激する体験を提供します。

デザイナーのシャフルーズ・ゾモロディは、このプロジェクトについて「子供の頃の悪夢からインスピレーションを得て、全てが大きく、柔らかく、丸い世界を視覚的に表現したかった」と語ります。その結果、コクーンライト、六角形の蜂の巣、鳥の羽、人々を無限の方向へと導く手など、全てが大規模で神秘的なディテールが生まれました。これらの要素は全て手作りで、その中には生物模倣の要素やシュールなオブジェクト、照明器具、さまざまな種類の家具も含まれています。

この施設は約9290平方メートル(約10万平方フィート)の広さを誇り、その全てがデバイの防火法に準じた素材で作られています。また、建築グループは、デザイナーだけでなく消費者にとっても没入感のあるプロジェクトを実現するために、これらのディテール全てを作り上げました。

「Tr88 House」の特徴的なのは、その空間が人々の感覚を刺激し、相互作用を促すように設計されていることです。たとえば、売り物が主目的である食事処でも、ゲームや謎解きが至る所に配置されています。これにより、食事処は感覚やゲームを用いた実験的な空間に変貌し、建築に興味のない家族でも楽しむことができます。

このプロジェクトの課題の一つは、「コアとシェル」でした。屋根を追加した後に入り口や火災時の非常出口を確立するために大幅な調整が必要でした。さらに、プロジェクトの構造は、建物に組み込まれた生と死の荷重計算によって強化されました。また、屋上で流れる音楽と比べて、開放エリアの7メートルの壁は音響処理が施され、105dBから45dBへとノイズを減少させました。

このプロジェクトは2020年2月にデバイで始まり、2022年3月に完成しました。その間、家族の比率や利用者の年齢に基づいて空間のバランスを計算するための仮計算が行われました。また、5.5メートルから11メートルの高さの木の幹を180本輸入し、一部を結合して高さ18メートルを達成するという目標もありました。幹の床への設置は難しく、構造上の制限から、屋根からのフックを用いて金属部分の重さを支え、床の支柱を用いて木の重さを支えました。結果として、相互に連結されたツリーハウスのようなシステムが生まれました。

この斬新なデザインは、2023年のA'インテリアスペース、リテール&エキシビジョンデザインアワードでシルバーを受賞しました。この賞は、優れた専門性と革新性を示す、クリエイティブでプロフェッショナルなデザインに授与されます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的技巧を備え、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、ワンダーを引き立てます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Shahrooz Zomorrodi
画像クレジット: Image #1: photographer Naveed Siraj, Tr88House, 2022 Image #2: photographer Naveed Siraj, Tr88House, 2022 Image #3: photographer Naveed Siraj, Tr88House, 2022 Image #4: photographer Naveed Siraj, Tr88House, 2022 Image #5: photographer Naveed Siraj, Tr88House, 2022
プロジェクトチームのメンバー: Lead Architect: Shahrooz Zomorrodi
プロジェクト名: Tr88House
プロジェクトのクライアント: Shahrooz Zomorrodi


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