デザイナーの池田玲一は、西大路駅近くの広大な敷地の一角に計画されたこのプロジェクトを手がけた。会社設立100周年を記念して2019年末に始まったが、新型コロナウイルスの未曾有の拡大により一時停止を余儀なくされ、最終的には2021年夏に完成した。
主な仕上げ材料としては、床には磁気タイル付きのモルタルベース、壁にはPB下地のAEP、丸柱/モルタル金属トローエルホルダー、壁フレーム/ST組立焼き付け塗装、カーテンにはレース生地のクリース加工が施されている。また、照明器具としては、真鍮製のオーダーメイドのペンダントライト(vao place)が使用されている。
このデザインの特徴的な部分は、以前は平行に走っていたガラス壁の形状をV字型にすることで内部と外部の境界を増やし、元々外部環境用に設計された床タイルを内部に溢れ込ませ、V字型のガラス壁にさえ食い込むことで、内部と外部の境界領域をあいまいにしたことである。
また、長い歴史を通じて繰り返された拡大の過程で建物の外観が赤褐色に変わったことから、この色の変化の過程を表現し、まるで建物の内部も変えていくかのように描かれている。
そして、シーンを分類するために、数寄屋造りに存在する「続き合い」の考え方を取り入れた。その結果、骨組みのビームに沿って襖の輪郭を描く鋼フレームが散在している。これらの壁は、プライバシーや防音などの機能を確保するだけでなく、見る人の意識を制御しながら個々のエリアの優しい形を強調する開放的な空間を目指している。
このデザインは、2023年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞のブロンズを受賞。芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、優れた技術と創造性を発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることを評価された。
プロジェクトデザイナー: Reiichi Ikeda
画像クレジット: Photographer:Yoshiro Masuda
プロジェクトチームのメンバー: design/REIICHI IKEDA DESIGN Reiichi Ikeda
partner/Aji Architects Tomoko Nagahiro
lighting/Modulex Jun Ikeda
bgm/Espec Junji Ozono
curtain/fabricscape Kiyohiko Yamamoto
green/Bond Satoshi Tanii
art/Tokuhiro Kano
funiture/inter office Akio Hayashi
custom lighting/vaoplace Hirohumi Oba
interactive Satoshi Kamewaka
sign/kantaro Midori Hirota
Constructor/Kanazawa Contruction Hideki Kanazawa
Photographer/Yoshiro Masuda
Photographer:Yoshiro Masuda
プロジェクト名: Nippon Shinyaku Koku
プロジェクトのクライアント: Nippon Shinyaku Koku