洪水をデザインに取り入れた都市型住宅

渡辺宏基が手掛ける、安全と快適さを追求した「村越」

複雑な要素が交差する立地に立つ「村越」は、光、風、人々、車、水といった周囲の要素に対する立体的な開放性を創出しました。洪水を考慮した設計が特徴で、自然災害に対する新たな視点から未来の都市型住宅を探求しています。

「村越」は、歩行者や車両の多い三方向の通りに面し、洪水が予想される水路に隣接する五角形の敷地に建つ住宅です。このような複雑な要素が交差する立地を活かすため、光や風が内部に流れ込むようにし、人々や車にとって便利な構造を持つ一方で水を避ける建築を目指しました。

高い基礎と一体型のファサードを持つドライブスルーガレージを備えたこの家は、クライアントの安全と快適さを追求しつつ、周囲の環境から適切な距離を保つ公開的な公共空間と内向的なプライベート空間の二元性を創出しています。

建築物と土地の比率を最大化するために、敷地形状に合わせた五角形の平面配置が選ばれ、2階とロフトの断面配置は高さ制限、防火規制、構造計画を考慮して選ばれました。洪水時の建物への影響を最小限に抑えるため、1階は高い基礎で計画されました。

この住宅は、夫婦のためのプライベートレジデンスとして使用されています。新築で、木造、地上2階建て、高基礎、ロフト付きです。敷地面積は73.92㎡、延べ床面積は81.73㎡です。

「村越」は、低地に位置し、谷間にあるための洪水のリスク、周囲の密集地域という条件を考慮して、安全で快適な生活空間を創出する課題に直面しました。最近の気候変動や電気料金の上昇を考慮に入れ、快適さを創出するキーポイントは、これらの要素に耐えうる建築革新と施設の計画でした。

設計期間は2020年11月から2021年4月の6ホンス、建設期間は2021年5月から12月の7ヶ月です。計画地は東京都大田区に位置し、洗足池の南に広がる臼形の谷底にあります。

ランニングコストと地球環境への負荷を軽減するため、断熱性能を高レベル(断熱等級6)に設定し、窓の数を最小限に抑え、Ua値0.37を使用し、熱交換ダクトレス換気を使用し、徹底的な気密対策を行うことで、冬季でもほぼ暖房なしで過ごせるレベルを実現しました。

このデザインは、2023年のA'建築、建物、構造デザイン賞でシルバーを受賞しました。シルバーA'デザイン賞は、最高級のクリエイティブで、専門的に注目すべきデザインに授与されます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的技能を示し、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、驚嘆を引き出します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hiroki Watanabe
画像クレジット: Image #1: Photographer Yasutaka Kojima, Variations, 2022. Image #2: Photographer Koichi Torimura, Variations, 2022. Image #3: Photographer Yasutaka Kojima, Variations, 2022. Image #4: Photographer Yasutaka Kojima, Variations, 2022. Image #5: Photographer Koichi Torimura, Variations, 2022.
プロジェクトチームのメンバー: Hiroki Watanabe
プロジェクト名: Murakoshi
プロジェクトのクライアント: Hiroki Watanabe


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