自然と調和する建築美、Zhubo Designの「風のパビリオン」

風に吹かれる海の波を具現化した、自然と一体化する建築デザイン

山に囲まれた湖畔に立つ「風のパビリオン」。風に吹かれる海の波を抽象化し、連続する山々として具現化したこの建築は、美しい風景を眺めるためのコンテナとして設計された。自然と一体化する場所を作り出すことに重きを置いたZhubo Designの試みは、伝統的な建築とは一線を画す。

風のパビリオンは、その名の通り風に吹かれる海の波を連想させるデザインが特徴的である。このデザインは、建築物自体が人間の視覚に訴える風景となると同時に、内部からの眺めもまた意図的に切り取られた風景となる。これは視覚的な体験を提供するための「コンテナ」であり、人々の身体、精神、視覚を保護する連続した空間である。

この建築物のユニークな特性は、自然と一体化する場所を作り出すことに重きを置いている点にある。これは伝統的なサービス指向の建築とは異なり、設計者たちは自然に溶け込む開放的な空間を提供している。また、コンクリート素材の硬く冷たいイメージとは異なり、このプロジェクトではコンクリート素材の柔らかさを探求している。

風のパビリオンは、厚さ200mmのコンクリートシェル構造を採用している。このシェルは部分的に200-500mmの厚さになるように設計されている。また、基礎と接続するエリアは三角形で、接触範囲が小さいため、構造設計には一部課題があった。そのため、大きな張り出しとスパン高さのエリアには、全体構造の安定性を二重に保証するために、三本の木の形をした鋼製の柱が追加されている。

風のパビリオンは、総土地面積714m2、総建築面積540m2、容積率0.76、建物の高さ4m、階数1階というスペックで設計されている。コンクリートを主材料として使用し、スナックバー、飲み物のテーブル、トイレ、休憩ステップなどを備えた機能的な視覚空間となっている。

このプロジェクトの課題は、豊かな風景資源を持つサイト周辺の風景を建物に統合し、美しい視覚コンテナを作り出し、人々に休息の空間を提供しつつ、自身も風景となることだった。このプロジェクトは、2020年に始まり、2022年に中国広東省惠州市で完成した。

風のパビリオンは、その美しい曲線を持つ人間の風景としての建築自体が、自然の要素を建築デザインに統合する試みである。休憩やビジネス活動が自然に行われる開放的な空間を提供し、コンクリート素材の硬さと冷たさとは異なる柔らかさを探求した。このプロジェクトは、2023年にA'建築、建物、構造デザイン賞の銀賞を受賞した。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Zhubo Design
画像クレジット: Image #1: Photographer Kang Yu Image #2: Photographer Kang Yu Image #3: Photographer Kang Yu Image #4: Photographer Kang Yu Image #5: Photographer Kang Yu
プロジェクトチームのメンバー: Project Chief: Feng Guochuan, Xiao Yebao Project Executive Manager: He Xinyi Architect: Quan Zhaoxia, Li Hongyi, Li Bin
プロジェクト名: Mountain Sea Wind
プロジェクトのクライアント: Zhubo Design


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