伝統とイノベーションが融合したムール貝用ナイフ「Iedde」

Giuliano Ricciardiがデザインした、地元タラントの文化を称える一品

イタリア、タラント出身のデザイナー、Giuliano Ricciardiがデザインした「Iedde」は、地元の海洋文化を称えるために生まれた製品です。ムール貝を剥くための伝統的な道具「グラメラ」を現代風に再設計したこの製品は、形状、機能、素材すべてが地元の伝統と領域を象徴するアイコニックなオブジェクトとなっています。

「Iedde」は、ムール貝を剥くための道具であり、その形状はムール貝からインスピレーションを得ています。ハンドルの形状は手のひらに収まりやすく、ブレードはハンドルのカーブに沿って自然に繋がり、基部に調和のある形状を形成しています。これにより、道具は使いやすく、快適に操作することが可能です。

製品の製造には、最新のテクノロジーが用いられています。ブレードは、2mmのステンレス鋼製シートからレーザーカット技術を用いて作られ、オーブンでの熱処理により硬化されています。オリーブの木で作られたハンドルは、CNCマシンを使用して作られています。ブレードとハンドルは、2つのスルーピンでサンドイッチ構造に組み立てられ、最終的には手作業とベンチ機器で仕上げられています。各部品はレーザー彫刻でブランド名と番号が刻まれています。

このプロジェクトは、2022年4月にタラントで始まり、同年9月に完成しました。プロトタイプは同年9月のEgo Festivalで展示され、2022年12月には100個の限定品が予約販売されました。2023年2月には、国内外市場向けの大量生産が開始され、同月28日にはイタリア、ブリンディジのAmoris Terraeイベントで展示されました。

このデザインは、タラントの海洋文化を代表する伝統的なグラメラを再設計するという挑戦から生まれました。ムール貝養殖業者やレストラン経営者とのインタビューを通じて、伝統的なグラメラの弱点を明らかにし、それらを解決するためのスケッチとプロトタイプを作成しました。その結果、タラント市の現代的な贈り物となる「Iedde」が誕生しました。

「Iedde」は、2023年のA' Bakeware, Tableware, Drinkware and Cookware Design Awardでゴールデン賞を受賞しました。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映し、芸術、科学、デザイン、技術を推進し、その優れた特性で世界に大きな影響を与える優れた創造物や明るいアイデアに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Giuliano Ricciardi
画像クレジット: Image #1: Photographer Giuliano Ricciardi, Iedde 01, 2023 Image #2: Photographer Giuliano Ricciardi, Iedde Combo, 2023 Image #3: Photographer Giuliano Ricciardi, Iedde 02, 2023 Image #4: Photographer Giuliano Ricciardi, Iedde with mussels, 2023 Image #5: Photographer Giuliano Ricciardi, Iedde packaging, 2023
プロジェクトチームのメンバー: Giuliano Ricciardi
プロジェクト名: Iedde
プロジェクトのクライアント: Giuliano Ricciardi


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Iedde IMG #5
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