伝統的なコンパスを超える:Exlicon Multi Shapeの革新的な特性

Lee Pik Shanによる画期的なデザイン

伝統的なコンパスが紙に穴を開ける問題を解決し、さらに多角形や黄金比の図形まで描くことが可能な新しい道具、Exlicon Multi Shapeの登場です。

Exlicon Multi Shapeは、香港のデザイナー、Lee Pik Shanによって開発されました。彼のインスピレーションの源は、伝統的なコンパスが紙に穴を開けるという問題でした。そこで彼は、紙に穴を開けずに円や楕円、五角形、六角形、さらには黄金比の図形を描くことができる道具を作り出しました。

Exliconの特徴は、その独自性と多機能性にあります。伝統的なコンパスが紙に穴を開けるのに対し、Exliconは針を持たず、紙を傷つけることなく使用できます。また、円の中心がズレることなく描画できるようになっています。Exliconは、基盤、長い定規、短い定規、そして水滴形の定規から成り立っています。これらは磁石で接続され、50以上の寸法の円や楕円、100以上の異なるサイズの弧を正確に描くことができます。

Exliconは、航空宇宙グレードのアルミニウムとステンレスで作られており、耐久性と軽さを兼ね備えています。また、左利きと右利きの両方のユーザーに適しています。製造には高精度のCNCマシンを使用し、楕円の離心率を計算して基盤と翼を適切に合わせる必要がありました。これには、一部では予熱が必要で、特に細長い定規のようなものでは、大量生産時に一貫性を保ち、製造中のひび割れや歪みを防ぐのが課題でした。

Exliconの開発には、多くのリサーチが必要でした。特に、伝統的なコンパスが紙に穴を開けるという問題を解決するための新しい描画ツールの設計に焦点を当てました。その結果、Exliconは針を持たずに円や楕円などの形状を簡単に描くことができるツールとして誕生しました。これにより、デザイナーやアーティストのユーザーエクスペリエンスが向上し、建築やエンジニアリングなどの業界でも実用的な応用が可能となりました。

Exliconの開発には、紙を傷つけずに精密な図形を描くという大きな課題がありました。また、磁石の翼を基盤に簡単に取り付けられるようにすることも難しさの一つでした。しかし、これらの課題は、広範なリサーチとプロトタイピング、テストを通じて克服され、新たな描画方法を提供するツールが完成しました。

このデザインは、2023年のA' Art and Stationery Supplies Design Awardでブロンズ賞を受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、高い技術力と創造力を持つ優れたデザインに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Lee Pik Shan
画像クレジット: Copyright: PAu 4-086-939 (Ddiin Concept Limited)
プロジェクトチームのメンバー: Lee Pik Shan
プロジェクト名: Exlicon Multi Shape
プロジェクトのクライアント: Ddiin Concept Limited


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Exlicon Multi Shape IMG #5
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