伝統と未来を描く、酒蔵の180年を祝う特別な日本酒パッケージデザイン

八重田真治による新潟の長岡市、長年の歴史を持つ「長谷川酒造」の記念パッケージ

新潟県長岡市にある長谷川酒造は、180年以上の歴史を持つ酒蔵で、その社屋は日本の文化遺産として登録されています。この度、その創業180周年を記念して特別な日本酒が製造され、そのパッケージデザインを手掛けたのがデザイナーの八重田真治です。

このプロジェクトのインスピレーションは、180年間に渡って受け継がれてきた伝統的な味わいと技術を表現するために、「年輪」を主視覚として用いることでした。歴史と未来を表現するためのこのアイデアは、パッケージ全体の色彩にも影響を与え、伝統と高級感を表現するために墨絵をイメージした色調が採用されました。また、酒蔵の家紋に合わせて、記念ロゴは金色で印刷されています。

パッケージの内側に収められたボトルは、外箱とは対照的な黒を基調としたデザインが採用されています。ボトルの荒々しさは、伝統と技術の重みを表現しています。このパッケージは、ガラスボトルと紙で作られており、その形状は高さ322mm、幅115mm、奥行き115mmとなっています。

このデザインの最大の特徴は、長谷川酒造の180年の歴史と未来を視覚的に表現したことにあります。また、このパッケージデザインは、地元では知られている商品でありながら、同じデザインに飽きていた消費者に新鮮さを感じさせることが求められていました。そのため、伝統と高級感だけでなく、酒蔵自体をデザインに表現することが重要となりました。

このプロジェクトで最も難しかった部分は、外箱の印刷でした。数社の印刷会社を訪問しましたが、理想的な品質からは程遠い結果でした。しかし、幸運にも箱印刷を専門とする経験豊富な会社を紹介され、この問題を解決することができました。

このパッケージデザインは、酒蔵自体を代表する特別なデザインであるため、クライアントが納得できるコンセプトを提案することが必要不可欠でした。そのため、このプロジェクトで最も時間を費やしたのは、コンセプトの作成と提案でした。デザインでは、日本の味わいを生み出すために、レイアウトだけでなく印刷にも注力しました。また、外箱の表面は特別な耐傷性の仕上げが施され、高級感を出しています。

このデザインは、2023年のA'パッケージデザイン賞でシルバーを受賞しました。この賞は、優れた技術的特性と素晴らしい芸術的技巧を示し、卓越したレベルの優れたデザインに贈られます。これらのデザインは、その強力な技術的特性と素晴らしい芸術的技巧で賞賛され、驚きと感動を引き出します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Shinji Yaoita
画像クレジット: Shinji Yaoita
プロジェクトチームのメンバー: Printing: Takakuwa Art Printing Co.
プロジェクト名: Japanese Sake
プロジェクトのクライアント: Shinji Yaoita


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