台北の記憶を継承する住宅「レジデンスH」

陳麗安による伝統と革新の融合

台北に位置するこの住宅は、家主の幼少期の思い出が詰まった場所。祖母が一つ一つ選んだレンガやタイルが温かな記憶を呼び覚ます。リノベーションの過程で、陳麗安は家主の現代的な好みと家のオリジナルの魅力を融合させることを目指しました。

家主が音楽業界で働くことから、インテリアデザインは音楽の流れるようなスムーズさを反映しています。公共スペースはパフォーマンス会場としても機能する開放感あふれる設計です。

外観の改修から、広々としたダブルエントランスのデザイン、漏れていた水塔をオープンエアの中庭に変えるなど、独自の特徴が随所に見られます。階段横の展示スペースは、天井が高く、日光が差し込む大きな窓まで伸びています。

内装の色合いは、自然豊かな周囲の環境を反映したアーストーンで統一。屋外のパティオへと続く窓は多く、活力と創造性の融合を象徴し、住宅にさらなる可能性をもたらしています。

「レジデンスH」は、2024年のA'インテリアスペース、リテール＆エキシビションデザインアワードでシルバーを受賞しました。この賞は、卓越した専門性と革新性を示すトップレベルの創造的なデザインに与えられるもので、技術的な特徴と素晴らしい芸術的技巧が高く評価されています。