光井戸を中心とした家の再生

チェン・ユンイェンが紡ぐ、光溢れる住空間

数十年の歴史を持つ連棟住宅が、光と風景の舞台へと生まれ変わる。中庭を核とした家の概念を再定義し、屋外広場のような中央空間を創造するデザインへの挑戦。

かつての連棟住宅は、前後に分かれた建物と中庭によって構成されていました。デザイナーのチェン・ユンイェンは、この中庭を活用し、家族の多様な風景を展開させることで、まるで屋外の広場のような中心空間を作り出すことを目指しました。

この住宅は、約30メートルに及ぶ連棟住宅の一角を占めています。元々の建物は、中央の光井戸によって前後の建物に分けられていましたが、その光井戸は単なる採光の機能を果たすに留まっていました。今回のデザインでは、光井戸を家族生活の様々なシーンが繰り広げられるコアスペースへと昇華させます。

従来の閉鎖的な階段は、光井戸を囲むように配置された明るい通路へと変貌し、各部屋へのアクセスも光井戸を通ることになります。読書、仕事、フィットネス、子供の遊び、オーディオビジュアルエンターテイメントなど、豊かで多様な家庭のシーンが光井戸を囲む多層的なプラットフォームで展開されます。光井戸の中心に植えられた木は、自然の風景を室内に取り入れると同時に、家族の精神的な象徴となります。

外観の扱いにおいては、連棟住宅全体のファサードの連続性と一体感を考慮し、可能な限り元の建物の外観を維持しました。プライバシーを確保するために、独立したガラスブロックの壁を部分的に追加しました。ベッドルームスペースは、より良い採光のために通り側に配置され、ガラスブロックと段々に後退するテラスが、通りとの緊張を緩和し、騒音や視覚的な干渉を徐々に遮断します。

この古い家の変貌は、居住する家族に室内での屋外空間の自由を享受させることを願っています。2024年のA'インテリアスペース、リテールおよびエキシビションデザインアワードでシルバーを受賞したこのデザインは、その卓越した専門性と革新性で高く評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Chun Yen Chen
画像クレジット: Chun Yen Chen
プロジェクトチームのメンバー: Chun Yen Chen
プロジェクト名: House of Light Well
プロジェクトのクライアント: Chun Yen Chen


House of Light Well IMG #2
House of Light Well IMG #3
House of Light Well IMG #4
House of Light Well IMG #5
House of Light Well IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む