トロントの中心にそびえ立つ29階建ての混合利用ビル「210 Bloor」は、新たな住宅の概念を都市にもたらします。Babak Eslahjouが手がけるこのプロジェクトは、プライバシーと自立性を重視したブティック型のコンドミニアムの需要に応えるものです。北米の都市、ニューヨークやバンクーバーで見られる「スーパースキニー」や「ペンシルタワー」といった建築が、ここトロントでも新たな形として現れています。
「210 Bloor」は、そのユニークな外観デザインが特徴です。東西のファサードには、鏡面ガラスの三角形がテッセレーション(タイル張り)された幾何学模様が施されており、敷地境界線までデザインされています。六角形のパネルの鏡面仕上げは、反射する光と形をキャンバスに映し出し、都市の景観に新たな次元を加えています。
この建築は、42の住宅ユニット、126平方メートルの小売スペース、そして地下3階建ての駐車場を備え、15,589平方メートルの床面積を持つ大規模な開発です。敷地面積の20倍にも及ぶ高密度な設計が、都市のインテンシフィケーション(集約化)に対する新しい解答を提示します。
構造は、強化コンクリートとガラスカーテンウォールを採用。これにより、耐久性と美しさを兼ね備えた建築が実現されました。CORE ArchitectsとTribute Communitiesの協力のもと、Babak Eslahjouの指揮で、このプロジェクトは2023年に始動し、2030年の完成を目指しています。
「210 Bloor」は、その卓越したデザインと機能性で、2024年にA'デザインアワードの建築、建物、構造デザイン部門でゴールデン賞を受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、テクノロジーを進化させる優れた作品に与えられるもので、デザイナーの才能と知恵を反映し、世界に顕著な影響を与える製品やアイデアに対しての称賛です。
プロジェクトデザイナー: CORE Architects Inc.
画像クレジット: CORE Architects Inc.
プロジェクトチームのメンバー: Babak Eslahjou
プロジェクト名: 210 Bloor
プロジェクトのクライアント: CORE Architects