革新的な組み立て可能な花瓶「プランタ」

自然と遊び心を融合させたデザイン

子供時代の思い出と創造性が生んだ、モジュラー式の新感覚プランター。

デザイナーであるザビエル・ザグイは、自身の幼少期に自室で親しんだ自然植物とブロック遊びの経験からインスピレーションを得て、「プランタ」というプロジェクトを立ち上げました。3Dプリント技術と空間を埋める多面体の特性を活かし、磁石を用いた組み立て可能なプランターのブロックシステムを開発しました。このデザインは、複数のプランターを一つの構造体にまとめることで、スペースを節約しながらも、植物を楽しむ新しい形を提案しています。

「プランタ」は、内部と外部のシェルをFDM(Fused Deposition Modeling)方式で3Dプリントし、接続点にはネオジム球状磁石を使用しています。素材には水に強いPETGを採用し、耐久性と機能性を兼ね備えています。サイズは、エアプランツ向けの小型から、室内植物向けの大型まで、様々な植物に対応するシリーズを展開しています。

デザインのユニークさは、そのモジュラー性にあります。同サイズの花瓶の面を合わせることで、磁力により任意の軸で積み重ねることが可能です。壁掛け用のマウントも設計されており、任意のサイズの花瓶を垂直面に配置できます。小型花瓶はエアプランツを挿入するだけで、水やりの際には簡単に取り出せます。大型花瓶は、植物を入れる内部シェルと、排水を収集する外部シェルの二重構造になっており、メンテナンスのしやすさも考慮されています。

このプロジェクトは2018年7月にラスベガスで開始され、現在は生産の最終段階にあります。ザグイは、直感的に使用できるモジュラーフォームを作成すること、そしてそれがプランターとしてだけでなく、遊び心を刺激するブロックとしても機能することに挑戦しました。その結果、自然植物と創造的な遊びを組み合わせたいという子供時代の疑問から、プランタが誕生しました。

2024年には、A'デザインアワードの3Dプリントフォームおよび製品デザイン部門でアイアン賞を受賞し、その実用性と革新性が高く評価されました。ザグイによると、特許出願中であり、今後もこのデザインの進化と普及に向けて取り組んでいくとのことです。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Xavier Zhagui
画像クレジット: All Images: Photographer Xavier Zhagui, Plan-Ta, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Xavier Zhagui
プロジェクト名: Plan Ta
プロジェクトのクライアント: DEZIGN for X


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Plan Ta IMG #5
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