この家は、美術品を鑑賞することができる空間を通過するかのように、所有者のアートコレクションを見て家の中を巡ることができる。また、雪との対策として、屋根の形状にも配慮がされている。雪が多い地域では、屋根から雪を掻き落とすことを前提に家が建てられることが多いが、これは重労働であり危険でもある。そこで、風の作用により比較的雪が少なくなるパラペットのない平らな屋根を採用した。
また、良好な空気の流れを作り出すために、南側には簡単に暖まる庭を、北側には涼しく保つ庭を設計し、温度差を作り出した。これは、京都の町家で用いられる伝統的な設計方法である。
この家は、鉄筋コンクリート製で、1階建てである。敷地面積は246.48平方メートル、建築面積は137.10平方メートル、延床面積は135.56平方メートルである。
この家のデザインは、美術館のような家、シームレスな空間構成、環境(自然)への対応、雪との対処、自然換気といったキーワードで表現することができる。
このデザインは、2016年にA'建築、建物、構造デザイン賞のゴールデン賞を受賞している。ゴールデンA'デザイン賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した素晴らしい、優れた、トレンドセッティングな作品に授与される。これらは、芸術、科学、デザイン、技術を進化させ、特異な優れた特性で世界に大きな影響を与える尊敬される製品と明るいアイデアである。
プロジェクトデザイナー: Ryumei Fujiki and Yukiko Sato
画像クレジット: Hiroshi Ueda, F.A.D.S
プロジェクトチームのメンバー: Ryumei Fujiki
Yukiko Sato
Yasutaka Konishi (Structural Engineer)
Osamitsu Kagenaga (MEP/FP Engineer)
Kazuo Shuto (Electrical Engineer)
Matsuta Koumuten Co., Ltd. (Contractor)
Kazunari Yamada (Constr. Manager)
Eijiro Yamagata (Constr. Manager)
Hiroshi Ueda (Photographer)
プロジェクト名: The House for Contemporary Art
プロジェクトのクライアント: Ryumei Fujiki and Yukiko Sato