異次元の美学:アレクサンドル・ストレペトフの「ケプラー186f」

アートと家具の融合:メッセージングチェアの新たな可能性

アレクサンドル・ストレペトフの「ケプラー186f」は、アートと家具の境界を超えた一作品。自然と未来が交錯するデザインは、観る者を異次元の世界へと誘います。

「ケプラー186f」は、ストレペトフが様々な技法や素材を駆使して一つのアイデアを追求したプロジェクトの一部。植物の装飾や人間や動物を思わせるディテール、そして生命を宿すような造形が見事に融合しています。

この作品は家具でありながら、自然の形状と未来的な構造が複雑に組み合わさった彫刻でもあります。モノリシックな部分と骨組みの美しさが同時に楽しめる、他に類を見ないデザインとなっています。

「ケプラー186f」の主要部分は、直径2-3mmの鋼線で構成され、主要な線の交差部はより細い線で巻かれ、錫合金ではんだ付けされています。鋼線の骨組みには、銀ではんだ付けされた鍛造真鍮のブッシングが取り付けられ、装飾要素や肘掛け、脚部を支えています。これらの部分は、様々な塗料やラッカーで仕上げられた一枚板のオーク材で彫刻されています。座面のカバーは取り外し可能なデザインで、背もたれ部分の素材は固定されています。

「ケプラー186f」は、ただの家具ではなく、秘密の言語を持つアートオブジェクトとも言えます。異世界から来たエイリアンが創り出した作品とも解釈でき、幾何学的で無生物的な空間を、陽気で生命を肯定するものに再構築しています。

この作品は、2017年の夏に開始され、2018年の秋にサンクトペテルブルクで完成しました。デザインの過程では、詳細を過剰に使用してテクノロジーとスタイルの可能性を拡大し、異なる素材を優雅に組み合わせることを探求しました。また、建築のアイデアも取り入れており、アームチェアの逆さ足は、非対称なモノリシックなキャピタルをトップにした鉄筋で作られた柱を思わせます。

「ケプラー186f」は、A' Fine Arts and Art Installation Design Award 2019でシルバー賞を受賞しています。この賞は、優れた専門性と革新性を示す、クリエイティブでプロフェッショナルなデザインに与えられます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的技巧を持ち、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、そして驚嘆を引き出します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Alexandr Strepetov
画像クレジット: Image #1: photographer Tanya Bogdanova, Kepler-186f, 2018. Image #2: photographer Tanya Bogdanova, Kepler-186f, 2018. Image #3: photographer Tanya Bogdanova, Kepler-186f, 2018. Image #4: photographer Tanya Bogdanova, Kepler-186f, 2018. Image #5: photographer Tanya Bogdanova, Kepler-186f, 2018. Video Credits:cameraman Mikhail Mikhailuk
プロジェクトチームのメンバー: Alexandr Strepetov
プロジェクト名: Kepler 186f
プロジェクトのクライアント: Alexandr Strepetov


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