過去と現代が交差する、RMITキャピトル劇場の新たな座席デザイン

ピーター・ラトルによる、歴史と機能性を兼ね備えたバンケットシーティング

1924年に建てられた歴史的建築、RMITキャピトル劇場。その3階建ての空間に新たな座席が設けられ、過去と現代が見事に融合した空間が生まれました。

このプロジェクトを手掛けたのは、ピーター・ラトル率いるCUS (Vic) Pty Ltdのデザインチーム。彼らは、既存のコンクリート階段に対して座席をどのように製造し、設置するか、さらに座席の背後に新たなガラス作品と金属のバラストレードを追加する問題に取り組みました。

バンケットシーティングのデザインは、新しさと過去へのリンクを両立させるという課題がありました。この劇場は、著名な建築家ウォルター・バーリー・グリフィンとその妻マリオン・マホニー・グリフィンによって設計され、アールデコ/シカゴゴシックスタイルの初期の例とされる建物です。

デザインチームは、過去のイメージを元に、クライアント、建築家、そして建物のニーズを満たす"Chunky Club"スタイルのレザーシーティングを創り出すことに成功しました。座席は硬いフォームインサートと柔らかい外側のコアを持ち、それをダクロンで覆っています。これにより、時間とともにアンティークな見た目に変化するアニリンプルアップレザーが使用されています。

座席の製造には、追加の強度とサポートを提供するためにカスタムメタルフレームが必要でした。これらのフレームは、座席が背後のガラスパネルに干渉しないように、コンクリートの台座にボルトと化学的に固定されました。

バンケットシーティングは、大きな床面積、カーペット、高い天井、柱と調和し、アールデコのフォーマットを損なうことなく空間に溶け込むように設計されました。このプロジェクトは数ヶ月間工場で製造され、メルボルンCBDの現場で約6週間かけて設置されました。

このデザインは、2020年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞のブロンズを受賞しました。これは、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることを評価された賞です。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Peter Rattle for CUS (Vic) Pty Ltd
画像クレジット: Peter Rattle for CUS (Vic) Pty Ltd Tatjana Plitt Photography RMIT University
プロジェクトチームのメンバー: Peter Rattle
プロジェクト名: RMIT Capitol Theatre
プロジェクトのクライアント: Peter Rattle for CUS (Vic) Pty Ltd


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