「Aura」のインスピレーションは、1997年のDocumenta Xで展示されたFranz Westのソファから得られた。彼の作品は古いカーペットを用いたもので、公共空間に居心地の良さをもたらした。このアイデアは、古い家族のカーペットを相続した投資家に訴え、Gronkiewiczをモロッコのイメージ、特にマラケシュの活気ある市場やヴィラ・マジョレル庭園へと導いた。また、彼の形式言語はジョルジョ・デ・キリコの絵画からも大いに影響を受けている。
このバーの名前「Aura」は、ラテン語で金を意味する「aurum」から来ており、ここで提供されるバーボンベースのドリンクの色にも関連している。Gronkiewiczは、壁を覆う柔らかな模様のカーペットと、磨かれた真鍮とマットな真鍮、突板と生の真鍮を対比させた。限られたスペースを最適化するために、床に穴を開けてカスタムメイドの大きなテーブルと小さなテーブルを組み合わせることができるようにした。
インテリアに金色を取り入れるため、棚から高いテーブル、細い照明ペンダントまで、空間全体に真鍮の装飾品を設置した。金色のプレートは、飲み物のカウンターの上部を飾り、マーブルのベースに乗せられている。ベルベット張りの座席とコバルトブルーのトイレは、床とヴィンテージのバースツールの赤い色調を補完している。
このプロジェクトは2019年1月にワルシャワで実施され、同年6月に公開された。Auraは、ワルシャワの中心部に建つ19世紀の元テナントハウス、Jochwet Taubenhausの地下に位置している。この建物は第二次世界大戦中のドイツの爆撃を生き抜き、以来、地下の小さな角部屋では様々なビジネスが営まれ、それぞれが壁に歴史を刻んできた。Gronkiewiczはその歴史を呼び起こすことを試みた。
このデザインは、2020年にA' Interior Space, Retail and Exhibition Design Awardで鉄賞を受賞した。鉄賞は、業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献する、よくデザインされた実用的で革新的な創造物に授与される。
プロジェクトデザイナー: Kacper Gronkiewicz
画像クレジット: Photographers: Łukasz Kuś, Magda Rzeszot, 2019
プロジェクトチームのメンバー: Kacper Gronkiewicz
プロジェクト名: Aura
プロジェクトのクライアント: Kacper Gronkiewicz