「成人の日」:伝統と革新が交差する瞬間

イスマイル・ニヤズ・モハメドによる写真表現の新境地

日本の伝統的な成人式をテーマにした写真作品「Coming of Age」。イスマイル・ニヤズ・モハメドによるこの作品は、成人となった若者たちの新たなステージへの一歩を、美しくも力強いビジュアルで描き出しています。

この作品の舞台となったのは、神奈川県鎌倉市にある報国寺。その竹林の中で撮影された一枚一枚の写真は、成人式という日本の伝統と、若者たちの未来への期待とが見事に融合したものとなっています。竹はその強靭さから繁栄の象徴とされ、また日本文化では純粋さや幸運の象徴ともされています。世界で最も成長が早い植物である竹は、日本の文化や伝統にとって重要な存在であり、その竹林を背景にしたこの作品は、新たな人生のステージに踏み出す若者たちの力強さと希望を象徴しています。

成人式は、20歳になった若者が社会的に大人と認識され、より多くの権利と責任を持つようになる日本の伝統的な儀式です。毎年1月の第2月曜日に行われ、女性は着物を、男性はスーツや伝統的な男性用の着物を着て参加します。また、健康や繁栄を祈るために神社を訪れる人も多く、精神的なイベントでもあります。

この作品は、ニコンD4 DSLRとAF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDを使用して撮影されました。撮影は1日かけて行われ、ヘアメイクや着物の着付け、移動など多くの要素が絡み合ったプロジェクトでした。最大の課題は、竹林を訪れる観光客の多さでした。フレームに他の人が映らないように注意しながら撮影を行い、後からポストプロダクションで不要なオブジェクトを取り除く作業も行いました。

この作品には、竹が日本文化において持つ意味が深く反映されています。竹は中が空洞で、これは若者が10代を終えて20代になるときに理想的には持つべき性格を象徴しています。10代のネガティブな部分を捨て去り、知識と知恵を受け入れて成長すること、そして空虚に対する知恵を見つけること。また、竹は硬い体を持ちながらも風に調和して揺れ動く様子は、謙虚さの象徴ともされています。さらに、竹は厳しい冬から熱い夏までの様々な気候下でも生き残る強さを持っています。これらの特性は、人間の生活においても重要なものです。

この作品は、2020年にA' Photography and Photo Manipulation Design AwardのIron賞を受賞しました。この賞は、プロフェッショナルで産業的な要件を満たし、業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合した、実用的で革新的な創造物に授与されます。それらは満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ismail Niyaz Mohamed
画像クレジット: Ismail Niyaz Mohamed (Photographer)
プロジェクトチームのメンバー: Ismail Niyaz Mohamed (Photographer) Ismail Niyaz Mohamed (Art Direction) Nagisa Sakurai (Hair & Makeup Artist) Misaki Kawaguchi (Model)
プロジェクト名: Coming of Age
プロジェクトのクライアント: Ismail Niyaz Mohamed


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