音の波をデザインに取り入れたブランド「Status Audio」

デザイナーRyan Paonessaが描く、音楽とデザインの融合

ニューヨークを拠点に活動する直販型オーディオブランド「Status Audio」。そのブランドアイデンティティを手掛けたのはデザイナーのRyan Paonessaだ。音の波をシンボルに、洗練されたデザインと高品質な音響を追求するブランドの姿を描き出す。

「Status Audio」のロゴタイプは、シンプルな音の波形を模したデザインとなっている。各文字が同じ垂直方向のパスとアーチを辿ることで、ブランドのオーディオ要素を巧みに表現している。また、ロゴが必要ない場面では、この音の波形自体が二次的なブランドマークとして活用される。色彩とタイプの使用により、ブランドの視覚的アイデンティティを一層統一している。

「Status Audio」は、デザイン性と音質にこだわったヘッドフォンを提供するブランドとして、ニューヨークで生まれた。そのブランドの特徴を反映するような、統一感のあるアイデンティティを創出することが求められた。その結果、視覚的アイデンティティの創出から商品開発、パッケージデザイン、写真撮影の指導、デジタルデザイン&開発など、多岐にわたる分野での取り組みが行われた。

ロゴタイプと音の波形がほぼ同じ空間を占めるデザインとなっているため、パッケージングにもこの特性を活用している。ヘッドフォン自体にはロゴは付いていないが、ブランドのミニマリストで実用的な側面を反映したユニークな製品コード識別子がある。

パッケージは製品に応じてさまざまなサイズとバリエーションが提供されている。ブランドロゴがない「Status」の製品に対して、パッケージ、ウェブサイト、印刷物、マーケティング資料などには、消費者がブランドを識別するための視覚的な仕掛けが必要となる。

このプロジェクトは2015年にニューヨークで始まり、現在も続いている。デザインと開発の作業は、最近ではニューヨークとアラバマ州フローレンスの両方で行われている。ヘッドフォン業界は巨大で、競争相手が増え続けている。その中で「Status」は、高品質な音とデザインを、競争相手よりもずっと手頃な価格で直接消費者に提供するという、ユニークである意味で破壊的なアプローチを採っている。

このデザインは、2020年のA' Advertising, Marketing and Communication Design Awardでブロンズを受賞している。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、優れた技術力と創造力を発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にするデザインに授与される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ryan Paonessa
画像クレジット: Image #2: Photographer Marshall Troy, Product & Packaging Photography, 2019. Image #3: Photographer Marshall Troy, Product & Packaging Photography, 2019. Image #5: Photographer Marshall Troy, Product & Packaging Photography, 2019.
プロジェクトチームのメンバー: Lead Designer: Ryan Paonessa Founder / CEO: James Bertuzzi Photographer: Marshall Troy Photographer: Kilian Son
プロジェクト名: Status Audio
プロジェクトのクライアント: Ryan Paonessa


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