このプロジェクトは、パラリンピックのためのレーシング車椅子の開発から始まりました。開発が進むにつれて、デザインチームはアスリートが適切な位置にピッタリとフィットすることの重要性を理解しました。テスト用のプロトタイプの場合、座席の位置が記録に影響を与えました。そして、明確なデータが、経験豊富なアスリートを理解し、車椅子の開発についてより多くのコミュニケーションを取ることを容易にしました。
この車椅子は、アスリートの能力を最大限に引き出し、競技パフォーマンスを向上させるために開発・設計されました。短距離種目に焦点を当てたデザインは、超軽量で高剛性、高加速性を持ちつつ、コーナリング時のボディホールドと安定性を向上させています。シートポジションは、競技者の漕ぎ動作の最適化を含むシートポジションシミュレーターSS01によって決定され、製造はオーダーメイドで行われます。
車椅子の操作手順は、競技用車椅子で一般的なものと同じです。3Dスキャンされた体形がシートに適用され、車椅子とアスリートとの一体感を高めています。競技中、アスリートの集中力を乱すことなく、安定した高いコーナリング性能を実現します。
開発チームは、開発から得られた知見を他の車椅子にも適用することを最初から意図していました。効率的なアスリートの乗車位置の設定方法や、高性能車椅子の構造設計を探求しています。プロトタイプに基づいた製造技術の開発と運転テストに加えて、FEM解析を使用してフレームを設計しました。
車椅子の開発における課題は、シミュレーターを使用して各アスリートのシートポジションに柔軟に対応し、高性能車椅子の剛性と強度を実現し、高い生産性を達成しながらスリークなスタイリングを与えることでした。この車椅子は、2020年のA' Vehicle, Mobility and Transportation Design Awardでゴールデン賞を受賞しました。
プロジェクトデザイナー: ANRI SUGIHARA
画像クレジット: RDS Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: RDS Co., Ltd.
Tomoya Ito
fuRo
exiii design Inc.
MAGNET Inc.
makesense Inc.
quod, LLC
honey l days
1-10,Inc
プロジェクト名: WF01TR
プロジェクトのクライアント: ANRI SUGIHARA