カンボジアの伝統と現代が融合したパッケージデザイン

ヴィグネシュ・ドゥダニが手掛ける「カンポット」の魅力

カンボジアの村、カンポットを代表するスキンケアブランド「カンポット」。そのパッケージデザインは、伝統と現代が見事に融合したユニークなものとなっています。

「カンポット」のパッケージデザインは、ブランドの深い歴史と、その地域特有の製品を称えるために生まれました。また、地元の女性たちが生計を立てるための雇用を創出するという役割も担っています。このブランドの物語は、カンボジア人にとって馴染み深いものであり、その要素がデザインに反映されています。

このデザインの特異性は、レアな製品の物語から生まれています。伝統的なプロセスと現代の市場で競争するためのストーリーテリングが融合したパッケージは、ヴィンテージなタイポグラフィと現代の色彩、美学が混ざり合っています。これは、ブランドの歴史を反映し、変化する時代に対応するという考えを表しています。

パッケージは、地元で調達した紙パルプをオフセット印刷技術で印刷して作られています。紙は完全にリサイクル可能で、持続可能な方法と古い技術を用いて生産されています。プラスチックは全てのパッケージングで完全に避けられています。

パッケージは130mm X 130mm X 130mmの正方形の箱で、不必要な包装材を使用せずに直接石鹸とルーファが入れられています。キーワードは「石鹸」、「美容」、「パッケージ」、「ブランディング」、「カンボジア」、「自然」、「レトロ」となっています。

「カンポット」の石鹸は、消費者の肌を改善するため、または既存の肌の感染症やその他の肌関連の問題を治すために開発されています。パッケージは、消費者が痛みや肌の刺激に悩んでいる場合に、目に優しい感覚を与えるようにデザインされています。パステルカラーの使用とタイポグラフィーによる祖先の知識の表現が、現代の応用とバランスを取っています。

このデザインプロジェクトは6ヶ月間で、インドで行われました。リサーチは、同じ領域の複数のブランドの原則と視覚構造の広範なムードボードのようなものでした。消費者体験の向上を図るため、各ボックスに補助的な石けんやルーファを追加することを決定しました。

パッケージの一つの方向性に固執することは困難でした。ビジネスは多くのフェーズを経て成長してきたため、一つだけに焦点を当てることは難しかったのです。それぞれのフェーズは無視できないほど重要でした。また、レトロなタッチをレトロな色やテクスチャーを使わずに表現することも課題でした。

「カンポット」は、製品の起源地である場所にちなんで名付けられた家族経営のビジネスです。主にスキンケア製品を手掛けており、天然成分を用いて伝統的な方法で一つ一つの製品を手作りしています。パッケージは、その祖先の起源と製品の純粋な性質を反映するようにデザインされています。それは現代とヴィンテージのパーソナリティを融合させ、ブランドが持つ遺産と文化の感覚を提供します。

このデザインは、2022年にA'パッケージデザイン賞のブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にするという、優れた創造性と独創性を持つデザインに授与されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Vighnesh Shailesh Dudani
画像クレジット: Vighnesh Shailesh Dudani
プロジェクトチームのメンバー: Vighnesh Shailesh Dudani
プロジェクト名: Kampot
プロジェクトのクライアント: Vighnesh Shailesh Dudani


Kampot IMG #2
Kampot IMG #3
Kampot IMG #4
Kampot IMG #5
Kampot IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む