伝統と現代が融合した新たなランドマーク、吉本一派の焼肉店「吉良乃家」

江戸時代の風情と現代の価値観が交差する空間

1998年に完成した既存の建物を活かし、江戸時代の風情と現代の価値観を融合させた新たなランドマークが誕生しました。その名も「吉良乃家」。デザイナーの吉本一派が手掛けたこの焼肉店は、伝統と現代が交差する空間で、訪れる人々に新たな体験を提供します。

吉本一派が設計した「吉良乃家」は、北新地の中心部に位置し、現代的な方法で江戸時代の街並みを再現しています。特徴的な軒先は、伝統的な日本の髪型の櫛から着想を得ています。既存のファサードを活かしながら、日本の伝統と現代の価値観を融合させることを目指しました。

既存のファサードは、和紙を染めるように色をグラデーションさせて新たに塗装され、歴史的なエリアにマッチした新たなランドマークとして生まれ変わりました。カウンターシートエリアでは、鉄製の松のレリーフが特徴となっており、訪れる人々は「能」の舞台の観客であるかのようにライブキッチンを楽しむことができます。

各個室は、春、夏、秋、冬と四季をテーマにしており、日本の雰囲気を感じることができます。また、廊下は日本の檜のフレームに囲まれたシルバーの壁紙で装飾されています。このように、吉本一派は伝統と現代の価値観を融合させることで、歴史的な建物と周囲の環境との調和を図り、エリアの新たなランドマークを創出しました。

このプロジェクトは、2020年1月に大阪市で始まり、同年5月に完成しました。スペースの面積は83平方メートルとなっています。また、このデザインは2021年のA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞でアイアン賞を受賞しました。

吉本一派が挑戦したのは、能の舞台の象徴である松の木を現代的な価値観で表現することでした。松の木は、元々絵画で描かれていますが、三次元的な表現を採用した鉄製のレリーフを作ることで、現代的な価値観を表現しました。この大きなレリーフは、一つ一つ手作業で作られており、その大きさは1300mm x 650mm x 40mmにも及びます。

このように、「吉良乃家」は、伝統と現代が融合した新たなランドマークとして、訪れる人々に新たな体験を提供します。その独特なデザインと空間は、他のどの店舗とも異なり、その強さとユニークな特徴を持っています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hajime Yoshimoto
画像クレジット: All images by Yasunori Shimomura
プロジェクトチームのメンバー: Hajime Yoshimoto
プロジェクト名: Kissyan Eirakucho Matsu
プロジェクトのクライアント: Hajime Yoshimoto


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