風景をフレームにする家:St

松尾道博による視線を遮りながら風景を楽しむ住宅設計

風景を楽しむために、外からの視線を遮りつつ、建物自体をフレームとして使用する方法を採用した住宅「St」。適度に閉じた空間を超えて広がる風景は、フレーム付きの絵画のように感じられます。

この住宅は、眺望の良い敷地に建てられた別荘です。限られた敷地内で、室内と室外が一体となるように設計されています。1階では、都市と海の融合した風景が中央のプールを通じて動きます。2階でも同じ方向に視線を閉じ、この空間だけから得られる利益を工夫しています。

複雑で大胆な空間構成は、建物の強度に不安を感じさせるかもしれません。しかし、この開放的な家を安全に建設するために十分な構造解析が行われ、大断面の集成材と金属継手を使用してしっかりと安全に建設されました。地震が多い日本では、構造計算が非常に重要であり、木造構造の多用に最大限の配慮がされています。

敷地面積は429.69㎡、建築面積は239.51㎡、構造は木造で、2階建てです。日本では木造構造が頻繁に使用され、大断面の集成材と接着金具を使用して、大空間を構成することができます。

この家は、木造の住宅として設計されました。木々と家の形状がうまく配置され、通行人の視線を効果的に遮断します。複数の方向に広がる室内空間は、視線を様々な方向に広げ、プライバシーを確保しながら、室外空間も部屋に取り込み、豊かな生活空間を創出します。

このプロジェクトは2020年11月に兵庫県で完成しました。週末の家として別荘として建てられましたが、建物の魅力が人々の使用頻度を増やすのではないかと考えられました。趣味や好みと同様に、空間として感じられる快適さは、所有者の感性に語りかけます。

各階でも柱が少なく、大開口部を持つ大空間を実現することが課題でした。これらを木造構造で実現し、低炭素社会の実現に向けて開放性を更に高めるデザインを創出します。さらに、地震多発国である日本で、地震に対する耐性を確保しながら優れたデザインを確保することは、大きな課題です。

眺望の良い敷地に建てられたこの別荘は、限られた敷地内で室内と室外が一体となるように設計されています。1階では、都市と海の融合した風景が中央のプールを通じて動きます。2階でも同じ方向に視線を閉じ、この空間だけから得られる利益を工夫しています。

このデザインは、2021年のA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞でブロンズを受賞しました。ブロンズA'デザイン賞は、経験と創造性を証明した優れたデザインに授与されます。芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術力と創造力を発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることを評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Michihiro Matsuo
画像クレジット: Michihiro Matsuo: METAPH ARCHITECT ASSOCIATES
プロジェクトチームのメンバー: Construction company: Advance Architects,inc
プロジェクト名: St
プロジェクトのクライアント: Michihiro Matsuo


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