詩と光が交差する、モニカ・ピント・デ・アルメイダの「ロルカ」

詩的な照明デザインが生む、新たな空間表現

詩と照明、二つの異なる要素が交差することで生まれる新たな空間表現。それが、ポルトガルのデザイナー、モニカ・ピント・デ・アルメイダが手がけた照明「ロルカ」だ。詩と光が交錯することで、視覚だけでなく感情にも訴えかける一方、その製造過程では鉄という素材の可能性を追求している。

「ロルカ」は、天井から垂直に伸びる細長い矩形の形状をしている。その一面には詩が刻まれ、その詩を引き立てるように照明が配置されている。鉄製で、自然な酸化により錆色のアクセントが加えられている。また、本体の端に隠されたLEDライトがアクセント照明として機能し、限定版として製作されている。

この照明は、手描きのスケッチから始まり、素材の選定、最終デザインの決定、3Dデザインの作成、そして製造業者との協力による最初のプロトタイプ製作というプロセスを経て作られる。製造には鉄を使用し、溶接技術とレーザーカットが用いられる。仕上げは手作業で酸化させ、最後にマットなニスで安定化させる。

「ロルカ」は、その詩的な要素により、人間の経験を視覚的なもの以上に探求する。照明は天井に簡単に取り付けられ、標準の高さはほとんどの空間に適応する。また、特定の異なるインテリアに対応するために、高さはカスタマイズ可能である。この照明が放つ光は、特別なオブジェクトを強調するとともに、親密な雰囲気を作り出す。

このプロジェクトは2014年に始まり、スケッチや詩の選定などを経て、2018年に最終的な作品が完成した。そして2021年からは、ポルトのCodigoデザインギャラリーで展示されている。

デザイナー自身が日常生活で感じている、人間の魂のバランスを保つためのアイテムを作り出すという責任感から、このデザインは生まれた。その結果、この作品は、私たちの精神により意識的で敏感になるデザインを作り出すという課題に取り組んだ。その過程で、職人技、テクノロジー、芸術、社会文化を組み合わせ、私たちの歴史、意識、創造性に同時に結びつけるデザインを作り出すことが最大の挑戦となった。

そして、その挑戦は認められ、2022年にはA'ライティングプロダクツアンドフィクスチャーズデザイン賞でシルバーを受賞した。この賞は、優れた専門性と革新性を示す、トップレベルのクリエイティブで専門的に注目すべきデザインに授与される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Mónica Pinto de Almeida
画像クレジット: Image #1: Photographer Tiago Costa, 2021. Image #2: Photographer Tiago Costa, 2021. Image #3: Photographer Tiago Costa, 2021. Image #4: Photographer Tiago Costa, 2021. Image #5: Photographer Tiago Costa, 2021. Video credits: Art direction and Editing: Mónica Pinto, 2022
プロジェクトチームのメンバー: Mónica Pinto de Almeida
プロジェクト名: Lorca
プロジェクトのクライアント: Mónica Pinto de Almeida


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