教育施設の再生:円舞

Thadによるキャンパス再生プロジェクト

古い建物が新たな生命を吹き込まれ、キャンパスの中心地として再生された。その名も「円舞」。このプロジェクトは、既存の建物を再利用し、新たな教育の概念に合わせて再設計したものである。

「円舞」は、中国・珠海にある大学キャンパスの中心に位置する古い建物を改装したもので、その斬新なデザインと機能性が評価され、2022年のA'建築、建物、構造デザイン賞のブロンズを受賞した。この古い建物は元々15の立方体から成り立っており、2つの中庭があった。改装では、この特性を尊重しつつ、屋根、中庭、室内空間を繋ぐ連続した階段と通路を設け、アイデアの交換や社会的な交流を促す機会を創出した。

この改装プロジェクトの特徴的な要素の一つは、建物のファサードである。乾式吊り壁システムを用いることで、新たなファサードを迅速に作り出し、同時に熱を遮断することが可能になった。また、新たな窓枠システムにより、直射日光の防止も実現している。

さらに、屋根部分も見逃せないポイントである。赤いプラスチックのトラック、緑の草地、黄色い木材を用いて、元々設備が占有していたスペースを、素晴らしい眺望を持つエクササイズスペースに変えたのだ。

また、中庭部分にはガラスの屋根を設け、階段を再接続することで、学生たちの展示やショーのスペースとして利用できるようになった。これらの改装により、建物はキャンパスで最も人気のあるダイナミックな空間へと変貌を遂げた。

このプロジェクトの最大の挑戦は、ランドスケープデザインだった。敷地内には多くの木々があり、それらの正確な位置が元の図面に記載されていなかった。しかし、全ての木々を保護し、それらを囲むテラスを作り出すことに成功した。また、照明システムの設計も難易度が高かったが、独自の照明システムを隠すために、元の手すりに穴を開けて電源を確保することに成功した。

最後に、このプロジェクトは持続可能性の向上も目指している。ファサードと窓枠システムにより、教室内への直射日光を防ぎ、中庭の壁に新たな開口部を設けることで、室内に自然風を取り入れることが可能になった。これらの施策により、エネルギーの節約にも貢献している。

このように、「円舞」は既存の建物を再利用し、新たな教育の概念に合わせて再設計したもので、その斬新なデザインと機能性が評価され、2022年のA'建築、建物、構造デザイン賞のブロンズを受賞した。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: THAD
画像クレジット: Main Image: Photographer: Changheng ZHAN Image #1: Photographer: Qingshan WU Image #2: Photographer: Qingshan WU Image #3: Photographer: Qingshan WU Image #4: Photographer: Qingshan WU
プロジェクトチームのメンバー: Architect In Charge: Wei ZHANG, Jingxian ZHAO Design Team: Haiyang HUANG, Xiangyi LI, Yue WANG, Xiaoqian ZHANG, Mingcheng CAI, Sisi LIANG, Yuben ZHANG, Ruoxing LI, Shiqi LI
プロジェクト名: Yuanbo
プロジェクトのクライアント: THAD


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