「ベルヴェデーレ」:自然と調和するアートの邸宅

松尾千佳子による、美術館のような住空間

美術品に囲まれた日常を実現するため、丘の上に建つ「ベルヴェデーレ」は、その名の通り絶景を望む家として設計されました。

クライアントの美術品への情熱から生まれたこのプロジェクトは、自然豊かな丘の上に位置し、周囲の景観を損なわない色彩選定がなされています。全ての壁が単調になりがちなレンガ造りですが、自然と見事に溶け込み、飽きることがありません。

訪れる人を温かく迎える玄関は、木目調の天井が特徴的で、秋田県でしか採れない十和田石で豊かに装飾されています。フラットな廊下はギャラリースペースへと続き、美術品と美しい照明器具を楽しむことができます。

この家の構造は木造で、フラットな屋根にはかなりの断熱材が施されています。外観が長年にわたり魅力的であり続けるよう、伝統的な日本の屋根と深い軒を採用し、窓や扉が外から見えないよう配慮されています。

岡山県早島町で3年の歳月をかけて完成したこの住宅は、周囲に建物がない丘の上に広々とした平屋建てとして建てられました。夏の暑さ対策として、屋根には十分な断熱材を使用し、天井と屋根の間に空気層を作りました。また、景色を楽しむために西側の窓は最小限に抑えられています。

プライバシーを重視し、街側には窓を設けないというクライアントの要望に応えつつ、建物の中央に二つの庭を設け、天窓を取り入れることで適切な照明を確保しました。

岡山県で建てられたこの家は、美術品が展示され、日常生活の一部となるようデザインされています。レンガの壁は単調に見えがちですが、自然に美しく溶け込み、決して退屈になることはありません。明るい木の天井が迎える玄関から、アート作品と美しい照明器具を楽しむギャラリースペースへと続くフラットな廊下が特徴です。

2024年には「A'デザインアワード」の建築、建物、構造デザイン部門でアイアン賞を受賞しました。この賞は、プロフェッショナルで産業的な要件を満たすよくデザインされた、実用的で革新的な作品に授与されます。

写真撮影は野上潤一郎が担当しました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: CHIKAKO MATSUO
画像クレジット: Photographer Senichiro Nogami
プロジェクトチームのメンバー: CHIKAKO MATSUO
プロジェクト名: The Belvedere
プロジェクトのクライアント: Ichiekensho Co.Ltd.


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