神秘を宿す建築、千社の真んま青

伊地知由紀による日本文化の精神を形に

伊地知由紀が手掛ける「千社の真んま青」は、日本の神聖な文化背景に根ざした食の源泉を結びつける特別な空間を創造するというテーマで設計されました。このプロジェクトは、建築というハードウェアからロゴデザインというソフトウェアに至るまで、意味合いにおいても日本のコンセプトを体現しています。

「千社の真んま青」は、日本の神道思想を基にした建築設計であり、その特徴は、単なる建築構造やデザインにとどまらず、意味合いにおいても日本文化の表現がなされている点にあります。神聖な空間を象徴するため、清浄と神聖を示す神道のしでをモチーフに、古代神社建築様式の一つである大社造りの形状と組み合わせて設計されました。

自然豊かな敷地に建てられたこの建築は、朝日を取り入れ、昼間は自然光を活かす計画がなされています。素材には、神道と日本文化の神聖さを感じさせる天然素材が多用されており、キッチンには神が宿る岩を表す椿石が、レジカウンターには鹿児島の溶岩石が使用されています。壁には、湿気を吸収する機能や温かみのある質感を持つ白砂を採用し、木材は柔らかさを感じさせるように四分割されています。

このプロジェクトは、日本文化と神道という把握し難いテーマの表現と建築後の維持可能性のバランスを取ることが課題でした。しかし、神道で特別な領域を象徴する道具を建築とブランディングのコンセプトにそれぞれ取り入れることで、建築デザインとブランディングがリンクされました。

店舗のロゴは、神聖な領域を表すしめ縄のコンセプトに基づいており、ロゴシンボルとして縄の形状が使用されています。このように、「千社の真んま青」の設計は、建築からブランドまで、すべてが意味合いで関連しているという日本のコンセプトを体現しています。

このデザインは、2024年にA'アーキテクチャー、ビルディングアンドストラクチャーデザインアワードでブロンズを受賞しました。ブロンズA'デザインアワードは、経験と創造性を証明する優れたデザインに授与され、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強い技術的および創造的スキルを示し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることが評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yuki Ijichi
画像クレジット: Image #1 : Photographer Ippei Nakamura Image #2 : Photographer Ippei Nakamura Image #3 : Photographer Ippei Nakamura Image #4 : Photographer Ippei Nakamura Image #5 : Photographer Ippei Nakamura
プロジェクトチームのメンバー: Yuki Ijichi
プロジェクト名: Chinza No Manma Ao
プロジェクトのクライアント: Chinza No Manma Ao


Chinza No Manma Ao IMG #2
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Chinza No Manma Ao IMG #4
Chinza No Manma Ao IMG #5
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